【D視点】信頼で進歩するマツダのデザイン…アクセラ 新型

自動車 ニューモデル 新型車
【D視点】信頼で進歩するマツダのデザイン…アクセラ 新型
【D視点】信頼で進歩するマツダのデザイン…アクセラ 新型 全 27 枚 拡大写真
3
夢と誠意を大切にする

デザイナーは、「売れるデザインを作ってくれ」と社長から言われた経験を持つ。企業は利益を生み出すために作られた組織なのだから、当然の発言とも受け取れるが、「なりふりかまわない儲け主義」を感じて、やる気を失ってしまうデザイナーも多いであろう。

違和感の原因は、「売れるデザイン」に対する解釈のずれだが、戦後、急激に広まった欧米文化の消化不良に起因している。「文化度の低い国民性」だから仕方がないとニヒルに構えるのも一方法だが、無気力なデザイナーが作る製品が日本を埋め尽くしてしまっては、ユーザーも救われない。

デザイナーが自信を持って夢を発信する努力を続けると、ユーザーの信頼を生み、売れるデザインにもなり得る。これを社長の言う「売れるデザイン」と理解すると、デザイナーにもやり甲斐となり自信も湧く。欧米デザイナーの自信ありげな態度は、このような姿勢で仕事をしているからなのだ。

人間の歴史は、道具の歴史とも言われるように、道具を作る行為は、人間の生きる原動力でもある。この原動力は、夢だけではなく誠意を前提とした相互信頼が基本なので、発信元であるデザイナーやメーカーは、信頼を失うような行動も慎まなければならない。


D視点:
デザインの視点

筆者:松井孝晏(まつい・たかやす)---デザインジャーナリスト。元日産自動車。「ケンメリ」、「ジャパン」など『スカイライン』のデザインや、社会現象となった『Be-1』、2代目『マーチ』のプロデュースを担当した。東京造形大学教授を経てSTUDIO MATSUI主宰。【D視点】連載を1冊にまとめた『2007【D視点】2003 カーデザインの視点』を上梓した。
  1. «
  2. 1
  3. 2
  4. 3

《松井孝晏》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「TWIN TURBOのロゴ懐かしい!」Z32ファン感涙、レトロ感あふれる新型『フェアレディZ』が話題に
  2. 「思ったよりだいぶ安い」トヨタ『GRヤリス』に新登場、エアロパフォーマンスパッケージに絶賛の声
  3. メルセデスベンツ『Cクラス』次期型を予告、光る大型グリル採用…初のEVも設定へ
  4. 「妄想が現実になった」トヨタがAE86のエンジン部品を発売へ…「復刻だけじゃない」その内容に驚きの声
  5. 【ジープ レネゲード eハイブリッド 新型試乗】レネゲード、ここにいよいよ極まれり…島崎七生人
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る