GM、米国内の一部工場で増産へ

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GMは18日、米国内の2工場でシフトの追加や残業による増産体制を敷くと発表した。7月下旬に導入された「CARS」(カー・アローワンス・リベート・システム)により、新車需要の高まりが予想されるためだ。

「CARS」は米国版スクラップインセンティブで、旧車(1984年式以降で燃費は7.6km/リットル以下)から一定の燃費基準を満たした新車に代替する際に、政府が下取り車と引き換えに4500ドル(約43万円)分の金券を支給。金券支給の可否を判断する燃費基準は、現在所有する車よりも乗用車が10マイル/ガロン(約4.25km/リットル)以上、ライトトラック(SUV/ピックアップトラック/ミニバン)が5マイル/ガロン(約2.13km/リットル)以上、燃費が良ければOKというものだ。

また、この基準を満たしていなくても、現在所有する車よりも購入する新車の燃費が、乗用車で4 - 9マイル/ガロン(約1.7 - 3.83km/リットル)以上、ライトトラック(SUV/ピックアップトラック/ミニバン)で2 - 4マイル/ガロン(約0.85 - 1.7km/リットル)以上良好なら、3500ドル(約33万円)分の金券が支給される。ただし、車両価格が4万5000ドル(約428万円)以上の高額車は、インセンティブの対象外だ。

このCARSが大当たりし、当初予算枠の10億ドル(約950億円)は1週間ですぐに埋まった。そこで米下院は7月31日、20億ドル(約1900億円)の増額法案を可決。ペロシ米下院議長は「制度導入直後の6日間で、約25万台の新車が売れた」と語るなど、米国では、スクラップインセンティブが思わぬ特需を生んでいる。

GMが増産体制を取るのは、カナダ・オンタリオ州のCAMI(GMとスズキの合弁工場)と米国オハイオ州のローズタウン工場。CAMIでは、中型SUVのシボレー『エクイノックス』とGMC『テレイン』を増産。ローズタウン工場では、シボレー『コバルト』の生産台数を増やす。

GMは2工場の増産によって、今年7 - 9月期と10 - 12月期の当初見込みに対して、生産台数は6万台の上乗せになると予測。増産により、約1350名の追加雇用を創出するとしている。

また、GMはビュイック『ラクロス』、キャデラック『SRX』『CTSスポーツワゴン』など、新型車の投入を控えている。GMのマーク・ラネーブ米国販売担当副社長は、「今年7 - 9月期の生産台数は、4 - 6月期よりも35%増加する」と語り、CARS効果により、販売回復に確かな手応えを感じている様子だ。

《森脇稔》

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