プジョーは7日、新型EVの『iOn』を15日に開幕するフランクフルトモーターショーで発表することを明らかにした。PSAプジョー・シトロエン社に対する三菱自動車からの商品供給契約に基づき、三菱『i-MiEV』のプジョー版が登場する。
三菱自動車は4日、PSAプジョー・シトロエンとi-MiEVの開発供給に関する基本契約を締結。契約の主な内容は、三菱がi-MiEVをベースにした欧州向けEVを開発し、PSAに供給。PSAは2010年末までに、プジョーとシトロエンの両ブランドで発売するというものだ。
新型プジョーiOnは、i-MiEVのプジョーバージョンとして発表。外観はi-MiEVと大きく変わらず、バンパーを専用デザインに変更。全長は3480mmとi-MiEVよりも85mm延ばされた。フロントにはプジョーのライオンエンブレムを装着。アルミホイールがプジョー独自デザインとなっているのも確認できる。
EVシステムはi-MiEVと共通だ。リアに置かれるモーターは最大出力64ps、最大トルク18.4kgm。2次電池は蓄電容量16kWhのリチウムイオンバッテリーで、床下にレイアウト。最高速は130km/h、最大航続距離は130kmを確保した。充電は220Vコンセントで約6時間。急速充電器を使用した場合、80%のバッテリー容量なら約30分でチャージできる。
プジョーは2010年末をメドに、iOnを欧州各国の政府や大企業などに販売する計画。万一の際には、欧州に幅広いネットワークを構築するプジョーのエマージェンシーサービスが対応する。
2005年7月、三菱とPSAは商品供給契約を締結。三菱は2007年9月から、SUVの『アウトランダー』をPSAにOEM供給しており、プジョーは『4007』、シトロエンは『Cクロッサー』として販売している。今回のi-MiEVのOEM供給により、両社の関係はさらに緊密度を増しそうだ。