GMとインドのREVAエレクトリックカー社は24日、ニューデリーにおいて、インド市場向けEVの開発で協力する内容の合意文書に調印した。新型EVは2010年に生産をスタートさせる。
インドのバンガローに本拠を置くREVA社は、小型EV『G-Wiz』を世界24か国で販売中。すでに3000台以上をデリバリーし、総走行距離は7000万km以上という実績を持つ。
またREVA社は16日、フランクフルトモーターショーにおいて、欧州M1セグメントに属する2台の次世代小型EVを披露したばかり。『NXR』は4シーターの3ドアハッチバック、『NXG』は2シーターの2ドアクーペで、それぞれ2010年、2011年に生産を開始する計画だ。
インド向けの新型EVは、GMの小型車プラットホームを使い、GMとREVA社が共同開発したモーターや2次電池、制御システムなどを搭載する。GMインドのKarl Slym社長は、「我々はインドの顧客に環境に優しい商品を提供できると思う」とコメント。REVA社のCEO、Chetan Maini氏は「当社のポリシーであるCO2削減に向けて、GMと協力できるのは光栄。インドを世界のEV開発の中心地にする」と一大構想をたち上げる。
今回のGMとREVA社の提携は、インド国内に安価なEVを早期投入するのが目標。両社の提携はインド政府もバックアップしており、11万2735ルピー(約21万7000円)という超低価格で発売されたタタ『ナノ』とは違う分野で、インドのモータリゼーションを発展させようというインド政府の戦略が見て取れる。
インド仕様のタタナノは、価格を抑えた影響で、排出ガス性能が欧米レベルに比べると劣る。そんなナノが爆発的に売れれば、インドの環境問題が深刻化するのは明らか。GMとREVA社の提携には、CO2排出量の超大国になりつつあるインドが、全世界に環境への取り組みをアピールする狙いもあるようだ。