英政府、スクラップインセンティブの延長決定…570億円

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英政府、スクラップインセンティブの延長決定…570億円
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英国政府は28日、新車に代替する際に最大2000ポンド(約28万6000円)を補助するスクラップインセンティブを、2010年2月末まで延長すると発表した。

英国では5月下旬、1999年9月以前に登録された旧車を一定の環境性能満たした新車に代替する際に、補助金を支給するスクラップインセンティブを導入。英国では政府と自動車メーカーが1台当たり1000ポンド(約14万3000円)ずつを支出し、最大2000ポンド(約28万6000円)の補助が受けられる。

このインセンティブのおかげで、低迷を続けていた英国新車市場は回復。7月は前年同月比2.4%増の15万7149台、8月は6%増の6万7006台と好調に推移している。これまでにインセンティブを利用して代替された車両は、22万7750台に上る。

間もなく、このインセンティブは終了予定だったが、英国政府は28日、制度の延長を決定。追加分として10万台分、1億ポンド(約143億円)の予算を計上し、2010年2月末、もしくは追加予算枠が埋まった時点のどちらか早い時まで、インセンティブを延長することとした。

これにより、英国のスクラップインセンティブはトータル約40万台分、総予算4億ポンド(約572億円)という大規模なものに。英国環境省の試算によると、代替された新車が年間1万2000km走行するとして、1台当たりの平均CO2排出量は179g/kmから133.9kg/kmへ、約25%の削減が期待できるという。

28日の英国政府の発表を受けて、自動車メーカーは一斉に歓迎する旨のコメントを発表。例えば、英国日産のマネージングディレクター、ポール・ウィルコックス氏は「インセンティブの延長はうれしいニュース。この制度は顧客と英国自動車産業の双方にメリットがある」と期待を寄せる。

欧州の最大新車市場、ドイツでは今年1月に始まったスクラップインセンティブが9月2日に終了。8か月間に200万台がこの制度で代替され、総額50億ユーロ(約6580億円)もの予算が投じられた。英国ではインセンティブ延長により、もうしばらく新車市場の活況が続きそうだ。

《森脇稔》

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