出光興産は8日、独自のメタロセン触媒技術を活用して低温流動性と低揮発性を持つ高機能ポリアルファオレフィン(高機能PAO)を開発したと発表した。世界の潤滑油大手メーカーからの早期供給ニーズに応え、2010年上期から販売する。
同社は東アジアで唯一のアルファオレフィンを生産している。アルファオレフィンの主用途の一つがPAOで、合成潤滑油のベースオイルとして広く使用されている。
今回、長年蓄積してきたメタロセン触媒技術を用い、独自の分子構造制御を行うことで従来のPAOでは達成できなかった特性を持つ高機能PAOの開発に成功した。
従来品のPAOと比べ、合成潤滑油ベースオイルとして、省エネ、長寿命特性に優れ、環境負荷低減に貢献する。自動車用エンジン油などに向けた低粘度グレードから、付加価値の高い工業用潤滑油向け高粘度グレードまで、幅広く粘度グレードをカバーできるとしている。
今後、本格事業化を視野に入れて販売拡大を目指す。