欧州新車販売が6.3%増、4か月連続で前年超え…9月実績

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ACEA(欧州自動車工業会)は15日、9月の欧州全域(EU+EFTA全28か国)の新車販売結果を公表した。総販売台数は138万8136台で、前年同月比は6.3%増と、4か月連続で前年実績超えを達成した。

欧州5大市場では、ドイツが引き続き好調。9月は31万6166台を販売し、前年同月比は21%増と9か月連続のプラスとなった。9年以上保有している古い車を一定の基準を満たした低公害車に代替する際に、最大2500ユーロ(約33万円)を補助するスクラップインセンティブは9月2日に受付を終了したが、駆け込み需要があったもよう。1 - 9月累計でも26.1%増の299万0766台と、インセンティブ効果で高い伸び率を示している。

このドイツを販売台数で上回ったのが英国。36万7929台を販売し、前年同月比は11.4%増と3か月連続で増加した。英国政府は販売好調を受けて、最大2000ポンド(約30万円)のインセンティブを、来年2月末まで延長すると発表している。

そのほか、フランスは前年同月比14%増の18万3110台、イタリアは6.8%増の18万9476台と、4か月連続で前年実績をクリア。スペインは18%増の7万7374台と、久しぶりの前年実績超えだ。

主要9社の販売実績は、1位のフォルクスワーゲングループ(アウディ、セアト、シュコダなどを含む)が、前年同月比6.9%増の25万8162台と5か月連続のプラス。VWブランドが17.4%増の15万0966台、シュコダブランドが32.1%増の3万7296台と好調。しかし、アウディブランドは22.5%減の4万8199台、セアトブランドは2.6%減の2万1522台にとどまった。

2位のPSAプジョーシトロエンは、前年同月比8.5%増の15万8698台と4か月連続増。その内訳は、プジョーが4.9%増の8万4619台、シトロエンが13%増の7万4079台と、両ブランドともに売れている。

8月の4位から3位へ浮上したフォードグループ(ボルボを含む)は、前年同月比17.4%増の15万2081台と4か月連続増。同じく8月の5位から4位に上昇したGMグループ(オペル、シボレー、サーブを含む)は、4.9%増の12万5652台と、3か月連続でプラスをキープした。

8月の3位から5位に後退したルノーグループ(ダチアを含む)は、前年同月比24.3%増の11万0662台。ルノーブランドは22.8%増、ダチアブランドは40.8%増と、ともに好調だ。

6位のフィアットグループ(ランチアやアルファロメオを含む)は、10万6554台を販売。前年同月比は14.6%増と6か月連続のプラスだ。ブランド別では、フィアットが13.7%増、ランチアが16.6%増、アルファロメオが21%増といずれも伸びている。

8月の8位から7位へポジジョンを上げたのが、BMWグループ(MINIを含む)。前年同月比1%増の7万3822台と久しぶりのプラスに転じた。BMWブランドは1.9%減だが、MINIブランドが12.3%増の1万7096台と牽引役を果たした。

8月の7位から8位にダウンしたトヨタグループ(レクサスを含む)は、前年同月比4.3%増の6万8909台と、2か月連続のプラス。レクサスブランドは11.6%減と不振だが、トヨタブランドは5.1%増の6万6225台と好調だ。

9位のダイムラー(メルセデスベンツとスマート)は、11%減の6万4780台。上位メーカーの中で、唯一前年実績を下回っている。

韓国メーカーでは、ヒュンダイが3万2202台を販売し、前年同月比は67.2%増と8か月連続のプラス。キアも48.5%増の2万4401台で5か月連続のプラスと、韓国2社は驚異的な伸び率をマークした。

また日本メーカーでは、日産が前年同月比28.5%増の4万0086台、ホンダが14.2%増の2万7839台、マツダが7%増の2万6081台と好調。しかし、スズキは5.1%減の2万1994台、三菱が11.4%減の7819台と苦戦している。

欧州新車マーケットはスクラップインセンティブの効果で、主要国と主要自動車メーカーが販売を回復させた。西欧市場に限れば、前年同月比は9.6%増と9月としては1999年以来の高い伸び率だ。しかし、インセンティブは需要の先食いとの指摘もあり、インセンティブ終了後の対応が迫られる。

《森脇稔》

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