日産自動車が第41回東京モーターショーに出品する『NV200 バネットタクシー』は、みんなのタクシーというのがコンセプトである。
様々な人に乗ってもらうために、気にした個所があるという。それは、「福祉タクシーというものがあります。そういうタクシーは乗り降りのためなどでつかむグリップが、白内障の方でも見やすいようにオレンジや黄色の一色単のグリップにしています。ただ、一般の人が“そういうタクシーに私は乗りたくない”という気持ちにならないように気を付けました」とLCV事業本部商品戦略・企画グループ主坦、福本聡さんはいう。
「それで、ぱっと見て福祉車両に見えないように、シートとグリップのカラーバリエーションをうまく融合させています。白内障の方は色の付いている部分がちゃんと見える、一般の方は普通のデザインと感じる。シートのステッチも同様です」と話す。
デザイン本部プロダクトデザイン部、堀井淳一さんも「シートなどのステッチや色の組み合わせについての考え方は、室内をこれだけ広く取っているので、割と明るい色でおさめようというところからスタートしました。そして、グリップなど被視認性の必要がある部分の配色をして、後はコンビネーションで対応したのです」という。
また、福本さんは「『NV200』は荷物用途に突出したようなコンセプトですが、このモデルは荷物ではなくお客様、もしくは車いすのお客様をお乗せする。なので、基本的に運転席から後ろを全面ガラッと変えています」という。
「例えばシート。基準車のNV200は荷物も積まれることを主体としているので、畳んでコンパクトになるようにシートを作っています。しかし、このモデルはお客様を乗せるので、ゆったり座れるシートととしているのです」