VW、ポルシェの株式49.9%を取得---経営統合が第1段階へ

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フォルクスワーゲンは20日、年内にポルシェの株式の49.9%を39億ユーロ(約5370億円)で取得すると発表した。2011年末までの経営統合に向けて、その第1段階をクリアした。

ポルシェは2005年夏、VW株の大量買付けに着手。その理由はVWの保護を謳う、いわゆる「VW法」が欧州で違法と判断される可能性が出たためだ。ポルシェはVWをファンドによる買収から守るという名目でVW株を買い増し、2008年3月、ポルシェはVWを子会社化すると発表した。

その後もポルシェは100億ユーロ(約1兆3770億円)もの巨額の資金を投じてVW株を買い占め、2009年1月までにVW株の51%を保有する筆頭株主となった。この頃には、VWを買収から守るというポルシェの狙いが、VW支配へと変わっていたとされる。

ところが、ポルシェはVW株取得の際に借り入れた資金が経営を圧迫。2009年7月、ポルシェのウィーデキング社長は、この責任を取って辞任した。後にウィーデキング社長には、2008年秋のVW株急騰に関して株価操縦の疑いがかけられ、ポルシェ本社に家宅捜索が入るというスキャンダルに発展している。

そして、フォルクスワーゲンとポルシェの立場は逆転する。2009年8月、今度はフォルクスワーゲンがポルシェに対して、経営統合を提案。ポルシェに42%出資すると発表した。今回、ポルシェ株の買い付けが順調に進んだため、当初目標の42%を上回る49.9%の取得に成功したという次第だ。

フォルクスワーゲンは2011年末までにポルシェとの経営統合を目指しており、今回の49.9%出資により、その目標に大きく近づいた。

しかし、フォルクスワーゲンの最終目標は2018年、年間世界販売台数1000万台を達成すること。ポルシェとの経営統合も、その実現に重要な意味を持っている。

《森脇稔》

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