【東京モーターショー09】日産 フーガHV…1モーター2クラッチを実現

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日産フーガHV
日産フーガHV 全 6 枚 拡大写真

東京モーターショーで発表された日産『フーガハイブリッド』は、日産初の独自開発による市販ハイブリッドモデル。2010年秋から発売が予定されている。

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ハイブリッドシステムは、3.5リットルV6ガソリンエンジンと7速ATの間に発電と動力用を兼ねた1モーターを挟み、モーターの前後にそれぞれクラッチを配するパラレル方式だ。現時点では正確な燃費は発表されていないが、一般的なコンパクトクラス並みで、同社のラインナップでは「『ティーダ』並み」とのこと。

同じFRレイアウトのハイブリッドモデル、レクサス『GS』、『LS』や2モードHVのGM、BMWが2モーターを採用しているのに対し、フーガHVは1モーター2クラッチ方式。このメリットについて日産パワートレイン開発本部の早崎※康市開発主管に聞いた。

「大きく分けて3つあります。一つ目は圧倒的な燃費の改善でコンパクトカー並みの燃費を実現できることです。特に2モーターのHVに比べると、シティモードだけでなく同時にハイウェイモードでの燃費をも延ばすことができます」

「二つ目はダイレクトなフィーリングで加速ができる点。ATトランスミッションを採用しているのですが、トルコンを持たないのでエンジンの余計な噴け上がりもないですし、他のHVシステムのように加速時に大電流を発生させるためにエンジンの回転数を上げる必要もないことです」

「そして三つ目は、システムをシンプルな構造で軽量化できること。高燃費の実現とコストの低減化が可能になりました」とのことだ。

これまで1モーター2クラッチのHVシステムが採用されなかった理由については、「モーターインバーターは鉄の塊ですから、本来軽量化するためにはモーター自体の数が少ない方がメリットも多いのです。そもそもこのタイプのHVシステムは古くからあるコンセプトだったのですが、レスポンスよくエンジンを始動させ、スムーズに動力伝達をつなげさせるなど、制御が難しいことから誰も実現させていなかったのです。それらのソリューションはリチウムイオン電池の採用とEVのリーフにも採用されている制御技術の確立です」と言う。

バッテリーの容量が500Whと小型なものに対して発進時に出力させる大容量電流や微妙なアクセル開度、減速時の回生モードへの切り替わりなど単為時間当たりの電流の出入スピードが重要になり、ニッケル水素電池に比べの2倍のスピードで電流の出し入れが可能なリチウムイオン電池の採用と、それを制御するインバーター技術が1モーター方式を実現できたということだ。

※崎は山偏に立と可を組み合わせた字。

《ケニー中嶋》

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