【COTY09-10 選考コメント】迷った i-MiEV と インサイト の扱い…河村康彦

自動車 ビジネス 企業動向
三菱 i-MiEV
三菱 i-MiEV 全 5 枚 拡大写真
本当ならば先日ドイツで乗った新型『ポロ』にトップ点を投じたかった(!)ところながら、今回はノミネートに間に合わなかったのでそれは次回のお楽しみ。で、ノミネート10車の中での配分は以下のように考えた。レギュレーション上、配点出来るのは5台のみ。

まず、『ゴルフ』と『Eクラス』という2台はその仕上がり具合が何とも甲乙付け難いので、これは自分の中での「同点扱い」。ゴルフは“ビッグ・マイナーチェンジ”のイメージなので『Eクラス』を上に位置づけようかと一瞬思ったものの、改めて触れた結果の余りのパーフェクトな仕上がりぶりに、それはヤメという事に。

『XC60』はリーズナブルな価格や例の“シティ・セーフティ”の導入に至ったメーカー&インポーターの積極姿勢も踏まえて外せないところ。

ちょっと迷ったのは『i-MiEV』と『インサイト』の扱いだが、前者はまだ一般に勧めるためには余りに短いリアルワールドでの航続距離と税金補助頼りの非現実的な高額ぶりから、今回は“落選”の扱いに。ちなみに、今年はたまたま投票日に行われる最終試乗会が設定されなかったものの、例年通りこれが実施されていたら果たしてこのモデルはそれを最後まで乗り切れたのか甚だ疑問。数時間の試乗会に耐えられるか否かもまだ心もとないEVを、一般大衆に対して無責任に推すような事は当方としては出来ず。

一方のインサイトに搭載のハイブリッド・システムは、従来からの『シビック・ハイブリッド』のそれを“希釈”したもの。確かにコスト・ダウンも大事だけれどやはりホンダには“メカニズム・オリエンテッド”のスピリットを見せて欲しかった。というわけで、これも配点対象の5車には残さず。

結果としてトップの10点を与えたのは、あらゆるシーンでの実燃費をさらに向上させ、特にこれまで不得手としていた高速クルージング性能やフットワークの質感にも改善を実感出来た『プリウス』。

以下、日本を代表するスポーツカーとして今後も切磋琢磨を続けて欲しいという思いも込めて5点を投じた『フェアレディZ』に続き、前述の思いと配点レギュレーションからゴルフとEクラスに4点、XC60に2点を配分する結果に。


河村康彦|モータージャーナリスト
1985年よりフリーランス活動を開始。自動車専門誌を中心に健筆を振るっているモータージャーナリスト。ワールド・カーオブザイヤー選考委員、インターナショナル・エンジンオブザイヤー選考委員。

《河村康彦》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「TWIN TURBOのロゴ懐かしい!」Z32ファン感涙、レトロ感あふれる新型『フェアレディZ』が話題に
  2. 「みんなガソリン車が欲しいんだよ…」フィアットの新コンパクト『グランデパンダ』、6速MT登場に日本のファンも反応
  3. アイシンが明かす、トランスミッションの膨大な経験値とノウハウが電動化を主導する理由
  4. メルセデスベンツ、全固体電池搭載『EQS』で1205km無充電走行を達成
  5. 「めっちゃカッコよくない?」無限仕様の新型『プレリュード』が話題に、SNSではホイールにも「たまらない」の声
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る