【ドイツ EV 取材】EV普及、決め手は「電力の売買システム」

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フランクフルトショー会場前で充電中の スマートed とテスラロードスター
フランクフルトショー会場前で充電中の スマートed とテスラロードスター 全 14 枚 拡大写真

ドイツ・ベルリンでは、世界に先駆け大規模な電気自動車(EV)実証実験が行われ、インフラが急速に整いつつある。電力会社の主導によるもので、最大手のRWE社単独でも公共充電スタンドを2010年までに市内に500基する計画だ。なぜ、EV向け充電インフラが急速に進むのか、ドイツ環境省は「発電方法が大きく関るため」だという。

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ドイツでは現在、2020年に向けて発電方法を原子力発電から太陽光発電や風力発電といった再利用可能なバイオマス発電に置き換えて行くという動きがある。CO2削減が世界的な急務であるとされる中、EV普及においても、単にゼロエミッションカーであるというだけでなく、発電の段階からCO2を削減して行く必要があると考えられている。

充電インフラについて、ドイツ環境省のEVインフラに携わるマシアス・サムソン氏は「EVと連動した新たな電力供給方法を開発することで、電力の販売方法は大きく変わる。ここに電力会社や新規参入のEVメーカーは新たなビジネスチャンスが生まれることを目論んでいる。このため電力会社は率先して充電インフラ整備を推進、自動車メーカーに「早くEVを作れ」とプレッシャーを与えている状況なのだ」という。

新たな電力供給方法の取組みの第一段階は「発電の平準化」。コストの安い夜間に多く発電し、電力消費のピークとなる日中の電力を補う事で1日の発電量の増減を平準化するというもの。ドイツでは各家庭の温水暖房システムや冷蔵庫への電力供給で既に同様のシステムを導入しており、これをEVなどに応用できるかを検討している。

第二段階は「Vehicle to grid(ビークル・トゥ・グリッド)」と呼ばれる電力の売買システムの導入。これは深夜に発電した電力を各家庭のEVに供給、日中の消費電力ピーク時やオーナーがEVを使用しない際にはEVに蓄積された電力を電力会社に売ることができる、というシステムだ。これが実現することで「電力会社はより多くの電気を販売でき、新規ビジネスの発展も望む事ができる」(同氏)。

ビークル・トゥ・グリッドについては、まだコンセプトの段階ではあるものの2016年までに実用化を目指し、現在は管理ソフトの開発をジーメンズやボッシュなど数社と協力して進めているという。

ドイツでは2020年までにEV普及を100万台とし、EV社会のリーダーとなる方針を打ち出している。9月に行われた総選挙の影響により、原発撤廃の動きに「待った」が掛かるという見方もあるが「EV施策については大きな路線変更は考えられない」という。

マシアス氏はEV社会の実現に向けて「EVの一般への普及には助成金が不可欠。EV普及に積極的な電力会社に対して、まだ利益の多いガソリン車を販売したい自動車メーカーに向け積極的に助成金を出しEV開発の促進を図っていく。またドイツだけでなく、同じ車社会であり、電池・車両技術が進んでいる日本とも協力しEV社会の実現に向かっていきたい」と語った。

《宮崎壮人》

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