フォルクスワーゲンオブアメリカは28日、2011年に発売予定の新型ミッドサイズセダンのイメージスケッチを公表した。2月に公開されたイラストよりも、さらに実車の雰囲気が表現されている。
フォルクスワーゲンは2008年7月、米国に車両組み立て工場を建設すると発表。同社は1978年、米国現地生産を開始したが、品質問題に起因する販売不振から、1988年に米国での生産を終了した経緯がある。
約20年ぶりにフォルクワーゲンは米国現地生産を復活させるわけだが、新工場はテネシー州チャタヌーガに、10億ドル(約907億円)を投資して建設。フォルクスワーゲングループにとっては62番目の工場となり、5月には起工式が執り行われた。新工場は2011年に稼動する予定で、約2000人を雇用。最初にラインオフするモデルが、イメージスケッチの4ドアセダンとなる。
新型4ドアセダンは、米国では『パサート』の後継車種に位置づけられ、米国を最大市場に想定。2011年後半に投入され、米国で年間15万台を生産する計画だ。ボディサイズは現行パサートよりもやや大きく、トヨタ『カムリ』やホンダ『アコード』と競合。フォルクスワーゲンは全体の約30%が、クリーンディーゼルのTDI搭載車になると見込んでいる。
公開されたイメージスケッチからは、フォルクスワーゲンのアイデンティティが表現されたフロントマスクや、4ドアクーペの『パサートCC』のように流麗なフォルムが確認できる。
フォルクワーゲンは2018年までに、米国の年間販売台数を現在の約3倍に相当する100万台に引き上げる計画。その先には全世界で年間1000万台を販売し、世界第1位の自動車メーカーになるという野望が控えている。