東京モーターショーに前2輪、後1輪。モーターサイクルとオープンカーを融合させたクルマが登場した。BRPジャパンのCan-Am『Spyder roadstar』(スパイダー・ロードスター)だ。
BRPは「Bombardier Recreational Products」の略。航空機や鉄道車両で有名なボンバルディア(カナダ)のルーツである。ボンバルディアが上記部門に集中するため、創業以来の事業を投資会社とボンバルディア創業家に売却した。これがBRPである。
BRPは水上スキーやスノーモービルの分野では有名な会社だ。自動車はATVを製造しており、Can-AmはATVのブランドである。BRPがオンロード市場に参入するため、Can-Amのブランドを活用したというわけだ。
BRPは水上、雪上、オフロードのレジャービークルを開発している。そこで、オンロードのレジャービークルはなにか、というテーマで5年間に渡り開発を続けた。その答えが「Can-Am Spyder roadstar」である。二人乗りのモーターサイクルのようで、前輪の間隔が広く車体は傾斜しないため自動車という扱いとなる。背の低いボディにまたがると、まるで地を這うような、独特のスピード感を楽しめそうだ。
エンジンは子会社のRotax製Vツイン、998cc、DOHC8バルブ。最高出力は106馬力。トランスミッションは5速マニュアルと電子制御セミオートマチックの2タイプ。ステアリングには「Dynamic Power Steering」機構を搭載し、ABSとトラクションコントロール、スタビリティーコントロールの各システムはポルシェと共同開発したという。乾燥重量は310kg。
出品車は日本仕様で、ボディサイドにヨシムラのロゴが入っている。これは、北米仕様では日本の排ガス基準に適合しないため、吸排気系にヨシムラ製パーツを装着しているためとのことだ。Spyder roadstarは2007年に北米で発表され、日本国内でも僅かながら平行輸入車が存在するという。BRPジャパンではSpyder roadstarを日本の気候風土に合わせた仕様として、2010年春に発売する予定である。