【ロサンゼルスモーターショー09】ダッジ バイパー 最強グレードの2010年モデル

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ダッジ バイパー SRT10ACR
ダッジ バイパー SRT10ACR 全 9 枚 拡大写真

クライスラーグループは24日、ダッジ『バイパー』の最強仕様「SRT10ACR」の2010年モデルを、12月2日に開幕するロサンゼルスモーターショーで初公開すると発表した。

バイパーは1989年1月、デトロイトモーターショーでコンセプトカーとしてデビュー。当初は3年間だけ少量限定生産する計画で、1990年2月に市販バージョンの「バイパーRT/10」が発表された。エンジンは8.0リットルV10(400ps)を搭載し、1992年5月からニューマック工場で生産が開始された。

2003年には初のモデルチェンジを受けて、2代目「バイパーSRT/10」が登場。V10エンジンは排気量を8.3リットルへ拡大し、最大出力は510psを発生した。1995年10月には、現在のコナーアベニュー工場へ生産を移管。2008年には排気量を8.4リットル(600ps)にアップした『バイパーSRT10』に発展した。

2008年に追加されたSRT10ACRは、バイパーSRT10をベースにサーキット仕様に仕立てた超スパルタンモデル。ACRとはアメリカン・クラブ・レーサーの略で、サーキット用の足回りを組み込み、徹底した軽量化を施した。大型リアスポイラーも専用装備する。

8.4リットルV10エンジンはベース車同様に、最大出力600ps、最大トルク77.5kgmを発生。ACRでは遮音材やカーペット、オーディオなどの装備まで省略することで、この種のスポーツカーとしては異例の1552kgという軽量ボディを実現した。

このSRT10ACRが2008年8月、ドイツ・ニュルブルクリンク北コース(1周20.8km)でタイムアタックを敢行。7分22秒1というタイムをマークした。これは日産『GT-R』の7分26秒70、GMのシボレー『コルベットZR-1』の7分26秒4を上回る、量産メーカーの市販車としては世界最速のタイムである。

2010年モデルでは、ニュルブルクリンクでのタイムアタックの結果が反映された。まず、6速MTはショートストローク化するとともに、5速のギアレシオを0.74から0.80に変更。高速域での加速やストレートでの伸びを高めるための改良だ。

さらに、リアウィングとボディエンドプレートの形状を小変更。エアロダイナミクス性能がアップし、有効なダインフォースを獲得する。これにより、最高速は従来よりも6km向上し、296km/hを実現した。

8.4リットルV10エンジンに変更はなく、最大出力600ps、最大トルク77.5kgmを発揮。0-96km/h加速は4秒以下と、世界トップレベルにある。

1992年の生産開始から17年間のバイパーの累計生産台数は、2万5000台以上。今年4月、クライスラーの経営破たん時には、モデル廃止も囁かれたバイパーだが、7月には継続生産が決定した。2010年モデルが、依然としてコルベットと並ぶアメリカンスポーツの頂点に位置するのは間違いない。

《森脇稔》

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