国土交通省道路局は、8月11日に東名高速道路上で発生した盛土のり面の崩壊による通行止めを重視し、国が管理する道路における緊急点検を関係機関に指示した。
対象となる道路は、東日本、中日本、西日本、本四の高速道路会社と、首都高速、阪神高速の都市高速会社の管理する有料道路、および国が管理する指定区間の一般国道だ。
点検の対象となる盛土は、
(1)土塊や軟岩が乾燥と吸水を繰り返すことによって細粒化(スレーキング)しやすい岩質材料が使われている可能性のある盛土。
(2)沢を埋めるなど水の集まりやすい地形条件に造成された盛土。
(3)高さが10m以上ある盛土。
NEXCO中日本が設置した東名高速道路牧之原地区地震災害検討委員会の報告では、「(盛土のり面の崩壊は)盛土下部に使用された泥岩が、長年の水の作用により強度低下するとともに、透水性が低下した。その結果、盛土内の地下水位が上昇し、今回の地震が誘因となり崩落が発生した」と推定。
国交省道路局はこの報告を受けて、20日、類似の状況が起きていないかの調査を要請した。緊急点検に該当する箇所の現地調査は、2010年3月末まで続く。