1964年の初代の姿をかなり意識して登場したのが先代『マスタング』。その先代をベースに大幅改良されたのが新型だ。
ボディパネルはクーペのルーフ以外はすべて新しいそうで、較べると、初代をストレートに“再現”していた先代に対し、よりアレンジが加わった印象。顏まわりもより精悍に、リヤはコンビランプ部分に角度が付き(“面取り”という)立体的な形状に。ボディサイドの“C字型スクープ”は今回も再現された。
インテリアも先代とは、中央のエア拭き出し口の形状など細部が違う。メーター照明は、先代同様125通りに調整可能だ。
エンジンも4.6リットルのV8と4リットルのV6の2タイプと従来と同様。ただV8は冷気吸気システムの採用で最高出力が309ps(従来は304ps)にアップ。そのパワフルさは相変わらずで、やや強めにアクセルを踏み込めば、背後から蹴飛ばされるような加速が味わえる。
装着タイヤ(ピレリ・Pゼロ・ネロ)の効果で、乗り味はカドが取れ心地よく、ステアリングフィールも自然で安心感が高い。コンバーチブルのボディは、かなりしっかりしたもの。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年より「GOLD CARトップ・ニューカー速報」の取材/執筆を皮切りにフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。