【トヨタ SAI 発表】レクサスHSとの違いは70kgの軽さ

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『プリウス』『レクサスHS250h』に続く、トヨタのハイブリッド専用モデル第3弾『SAI(サイ)』。カーナビ標準装備で車両価格は338万円からと、プリウスの上級グレードとクロスオーバーする価格帯だが、モデルのポジションとしてはプリウスのようなファミリー層向けではなく、コンパクトな高級車をターゲットにしている。

車台やパワートレインなど、クルマの基本部分の多くをレクサスHS250hと共有する。ボディ骨格は両モデルともまったく同じで、ルーフ、フロントドアなど一部の外板も同一だ。差があるのは各部の仕様。

「レクサスがグローバルモデルとして各国の安全法規に対応しているのに対し、SAIは国内専用モデルで、衝突安全も基本的に日本国内のローカル対応となっています。また、ハイブリッドシステムの動力分割機構もレクサスは高負荷での連続走行に備えてオイルによる冷却システムを備えていますが、SAIにはついていません」(チーフエンジニアの加藤亨氏)

これらの安全仕様の差や、シートの薄型化、LEDヘッドランプ未装備といった装備差により、SAIはレクサスHS250hに比べ、おおむね70kg軽く仕上がっている。ちなみにカーテンレールエアバッグや車両安定装置VSCなど、高度な安全デバイスが多数、標準装備されるなど、安全性にも手抜きはない。

「この70kgの差は、ハイブリッドカーにとってはかなり大きいんですよ。電気モーターの性能やバッテリー出力などの制約を考えると、軽ければ軽いほど効果が大きくなります。レクサスが重厚であるのに比べ、体感できるくらい軽快感に違いがあると思います」(同氏)

SAIを富士山麓の河口湖周辺で走らせてみたところ、その言葉通り、レクサスHS250hに比べて明らかに軽快。また、セッティングに違いがあり、省燃費走行はSAIのほうが明らかにやりやすい。

電気エネルギー量の豊富な2モーターハイブリッドらしく、エンジンがかかっているときも負荷は低く、高級セダン『クラウン』のようにあらゆるノイズが遮られているような静かさとは異なるが、静粛性は高級車として十分以上に高いものだった。

試乗日の河口湖周辺は雨で気温が低く、しかも幹線道路で断続的に渋滞が発生するなど、条件としては決して良くなかったが、エアコンONで省燃費走行をある程度意識したときの燃費が19.3km/リットル、意図的に元気良く走ったときの燃費が同16.9kmと、システム統合出力190psの2.4リットル級セダンとしてはきわめて優れた数値。道路状況から推察して、コンパクトカーの中でも相当燃費の良いモデルと同等の省燃費性能を持っていると言っていいだろう。

《井元康一郎》

井元康一郎

井元康一郎 鹿児島出身。大学卒業後、パイプオルガン奏者、高校教員、娯楽誌記者、経済誌記者などを経て独立。自動車、宇宙航空、電機、化学、映画、音楽、楽器などをフィールドに、取材・執筆活動を行っている。 著書に『プリウスvsインサイト』(小学館)、『レクサス─トヨタは世界的ブランドを打ち出せるのか』(プレジデント社)がある。

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