[動画]2009年ニュル最速、ラディカル SR8LM…迫力のオンボード映像

自動車 ビジネス 海外マーケット
動画スクリーンショット
動画スクリーンショット 全 6 枚 拡大写真

スポーツカーの動力性能を計るうえで、ひとつの指標とされているのが、ドイツ・ニュルブルクリンクでのラップタイム。2009年もさまざまな記録が生まれたが、その頂点に立ったのが、英国ラディカル社の『SR8LM』だ。

ラディカル社は1995年、フィル・アボット氏とミック・ハイド氏の2名が設立した小さなスポーツカーメーカー。フィル・アボット氏の「2輪のエンジンを積んだスポーツカー」構想に基づき、カワサキ『ZZR1100』のエンジンを積んだラディカル『1100クラブスポーツ』を発表し、スポーツカーメーカーの仲間入りを果たした。

2004年には、スズキ『GSXR1300』(通称:ハヤブサ)のシリンダーヘッドに、独自開発のクランクケースを組み合わせた2.8リットルV8(360ps)搭載のラディカル『SR8』をリリース。カーボンとスチールを使用したスペースフレームシャシーに、カーボン製ボディを載せる手法は、レーシングカーそのものだが、安全基準や排出ガス基準に適合。ナンバープレートを取得でき、公道走行が許される。このSR8が2005年、ニュルブルクリンクでタイムアタックを行い、6分55秒という当時の市販車最速タイムをマークしている。

ラディカル社はSR8の進化形として2007年に発売したSR8LMの実力を試すため、ニュルアタックを敢行。SR8LMはV8エンジンの最大出力を、360psから460psへ引き上げたエボリューションモデルだ。SR8LMのエンジンは、1万0500rpmという高回転まで許容。ドライサンプオイル潤滑システムを採用したエンジンは、単体重量が88kgと軽く、トランスミッションはトランスアクスルレイアウトの6速シーケンシャルだ。SR8LMの英国での価格は、8万9000ポンド(約1320万円)からである。

ニュルブルクリンク北コースは、1周20.8km、高低差約300m、コーナー数172という超難コース。ドライバーには、2005年のタイムアタックと同じくミハエル・ヴェルジェ氏を起用し、気温20度、天気は晴れという絶好のコンディションの中、SR8LMはコースインした。そして、ドイツの『スポーツオート』誌と英国の『エボマガジン』誌が見守る中、SR8LMは2005年のタイムを7秒短縮する6分48秒のベストラップで周回した。

この記録は、日産『GT-R』の7分26秒70、GMのシボレー『コルベットZR-1』の7分26秒4、クライスラーのダッジ『バイパーSRT-10ACR』の7分22秒1はもちろん、ドイツ・グンペルト社の『アポロスポーツ』の7分11秒57よりも、約24秒も速いタイムだ。

フォーミュラマシンにナンバープレートを付けたようなルックスのSR8LM。このSR8LMを日産GT-Rなどと同じカテゴリーの市販車と呼ぶには違和感を覚える人もいるだろうが、ラディカル社は「市販車最速」を高らかに宣言している。果たして2010年は、この記録を上回るスポーツカーが登場するだろうか。

17日に公開された6分48秒という市販車最速ラップの映像を、動画共有サイトからお届けしよう。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「ミニGSX-R」をスズキがサプライズ発表!? 鈴鹿8耐マシン以上に「サステナブルかもしれない」理由とは
  2. 車検NGの落とし穴!? シート交換で絶対に知っておくべき新ルール~カスタムHOW TO~
  3. メルセデスベンツ車だけに特化!走りを静かにする「調音施工」認定店が埼玉県三郷市にオープン
  4. 次期BMW『X5』の車内を激写! メーターパネル廃止、全く新しいパノラミックiDriveディスプレイを搭載
  5. “プチカスタム”でサマードライブの楽しさをブーストアップ![特選カーアクセサリー名鑑]
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
  3. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 栃木ホンダ販売、テラチャージの急速充電器設置…EV充電環境を強化
ランキングをもっと見る