CDメカなどを一切搭載せず、『iPod』や『iPhone』などとリンクさせて使うマルチメディアレシーバーが相次いで登場している。
本体を1DINサイズとしたFM/AMチューナー付きレシーバーで、USB端子を経由してiPod/iPhone、あるいはUSBメモリ、オーディオプレーヤーなどを接続して楽曲を再生する。
この手のレシーバーはアルパインが先駆者だが、iPod/iPhoneの普及と共に人気を呼び、とくにその人気が高いアメリカではPNDと組み合わせて使うユーザーが急速に増えているという。そうした背景の下、2010CESでは同様な機構を持つモデルを各社が相次ぎ発表。この流れは日本へ波及することは確実で、今後成長を期待できるカーオーディオとして見逃せない。
まずケンウッドが発表したのは3インチのカラーディスプレイを備える『KIV-BT900』である。iPodとはフロントにあるUSB端子に接続してリンクし、コントロールは全てKIV-BT900で行う。
ディスプレイには接続したiPodなどの楽曲データやアルバムのアートワーク、さらにiPodのビデオ映像を見ることができる。対応するオーディオファイルはMP3やWMA、AAC、WAVファイルで、画像にはJPEGやBMP、動画ではMPEG4やWMVおよびH.264のデータに対応する。また、ビデオ映像は背面の端子からリアモニター用として出力可能だ。Bluetoothによる携帯電話のハンズフリー通話に対応していて、価格は500ドル。また、Bluetooth機能を持たない「KIV-700」もラインナップされていて、こちらの価格は450ドル。
アルパインが発売するのは、インターネットラジオ「Pandora」に対応した『IDA-X305S』。
Pandoraの専用ファンクションモードを持ち、iPhoneを接続すればPandoraを自在にコントロールして楽しめる。再生中の楽曲名はもちろん、アルバムのアートワークを表示することができる。モニターサイズは2.2インチとやや小さめだが、従来から採用していたロータリーエンコーダーをさらにブラッシュアップすることで使い勝手はさらに高められている。価格や発売時期は未定だが、iPod/iPhoneだけでなく、Pandoraへの対応を果たすことで、マルチメディアレシーバーの先駆者として、そのアドバンテージはさらに増したと言っていいだろう。
3インチのワイドなディスプレイを備え、再生中の楽曲情報をより詳細に見せるのがパイオニアの『MVH-P8200BT』だ。再生できるのは接続したiPod/iPhoneをはじめ、USBやSDメモリーカードに収録したMP3やWMA、AACの各オーディオファイルとビデオファイル。
USB端子やSDメモリーカード用スロットはフロントパネルに用意されているので、取り扱いはとても簡単。Bluetoothオーディオにも対応しており、ワイヤレスで楽曲再生も可能になる。パネル上にあるロータリエンコーダーは、回して押すという流れの中で再生したい楽曲をスムーズに絞り込むことが可能だ。価格は369ドル。2010年4 - 5月頃に北米で発売される見込み。同時にBluetooth機能なしの『MVH-P8200』もラインナップされ、価格は299ドル。