日本インダストリアルデザイナー協会(JIDA)の「乗り物デザイン研究会」が主催する連続シンポジウム「トランスポテーション・デザインを考える」の第1回「トランスポーテション・ミュージアムとデザイン」が24日、東京六本木にある東京ミッドタウン・タワーで行われた。
出席者は、財団法人交通協力会理事長で前交通博物館館長の菅建彦氏、日産自動車出身で名古屋学芸大学メディア造形学部長を務める工業デザイナーの木村一男氏、グッドデザイン賞(Gマーク)の運営に携わる日本産業デザイン振興会事業部の秋元淳氏、そして司会を兼務した宇都宮美術館主任学芸員で武蔵野美術大学非常勤講師の橋本優子氏の4名だった。
シンポジウムは、まず4人の出席者が短い発表を行った後、司会者のリードによるフリートーク、質疑応答という順で進められた。
菅氏・木村氏は欧米の鉄道博物館を紹介。企業博物館が主体の日本とは違って国や都市が運営し、博物館を社会の記憶装置として捉え、車両だけでなく歴史そのものを展示している点などを評価した。秋元氏はGマークをデザインの情報化のプラットフォームとして位置づけ、デザイナーの声を登録し後世に伝えることを注視していると説明。橋本氏は学芸員の立場から、企業ミュージアムでありながら客観的な視点で展示を行うトヨタ博物館を評価していた。
さまざまな立場の出席者が、乗り物博物館という同じテーマについて紹介や提言を行うという内容は新鮮で、自動車業界の人間にとっても参考になる点が多々あった。
第1回と銘打っているように、乗り物デザイン研究会では、今後もトランスポテーション・デザインのシンポジウムを数回行う予定でいる。ウェブサイトで紹介される予定。
乗り物デザイン研究会 URL
http://www.geocities.jp/norikeneast/