出光興産、住友化学、三井化学の3社は25日、共同開発してきた「コンビナート副生分解C4留分の活用による高効率プロピレン生産システム」の研究設備の実証運転を開始した。
石油化学事業は、原油価格が高騰している中、今後、中東や中国の新鋭超大型石油・石油化学プラントとの激しい国際競争に対応していくため、企業間の連携強化、コンビナート内でのインテグレーションなどの競争力を強化しなければ生き残れないとしている。
出光・住友・三井は、千葉地区で、それぞれの工場が石油製品とオレフィン、アロマを原料とする誘導品の一大生産拠点となっており、複数のエチレン分解炉と流動接触分解装置(FCC)が近隣に立地し、パイプライン網も整備されている。このため3社は、立地条件を活用し、製油所や石油化学工場から発生する副生C4留分とエチレンを原料として、クリーン燃料とプロピレンを高効率で生産するシステムの開発を目指して2006年4月から共同で「石油コンビナート高度機能融合技術開発事業」に取り組んでいる。この一環として今回、研究設備が完工し、実証運転を開始した。
設備は、三井化学の市原工場内に新設、プロピレンを年間15万t生産する予定。研究開発費は約100億円を投じている。