23kmに渡ってひきずった男を逮捕、車両は車検切れ

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今月上旬、北海道美唄市内で80歳の男性がひき逃げされ、約23km離れた奈井江町内で遺体が発見された事件について、北海道警は25日、月形町内に在住する47歳の男をひき逃げ容疑で逮捕した。当初は容疑を否認していたが、後に逃走の事実を認めたという。

北海道警・美唄署によると、問題の事故は2日夕方に発生した。美唄市西美唄町大曲2区(N43.19.33.4/E141.42.24.9)付近の道道で頭から血を流した高齢男性が倒れているのを近隣住人が発見。警察への通報後に再び現場へ戻ったところ、倒れていた男性の姿はなく、路面に付着した血痕が約50mに渡って残っていた。

そして同日の午後6時50分ごろ、美唄市の現場から約15km離れた奈井江町奈江原野南町(N43.25.36.1/E141.51.2.7)付近の道道に架かる奈井江大橋に高齢男性が倒れているのを通行人が発見して警察に通報。これを受けて駆けつけた砂川署員が男性の死亡を確認した。

後の調べで、死亡したのは最初の現場近くに住む80歳の男性と判明。男性は約23kmに渡って引きずられたこともわかった。警察は悪質な死亡ひき逃げ事件として捜査を開始。美唄市内の現場に落ちていた部品から車種の特定を進めてきた。

適合する車種について周辺での車当たり捜査を進めたところ、月形町内に在住する47歳の男が所有するクルマの底部が損傷していることを確認。車両を検証したところ、底部に付着している毛髪を発見。DNA検査で被害男性のものと一致したことから、男を容疑者と断定し、自動車運転過失致死や道路交通法違反(ひき逃げ)容疑で逮捕している。容疑車両は昨年12月で車検が切れていたが、以後も日常的に使用していたとみられる。

調べに対して男は「雪の塊のようなものを踏んだ」として容疑を否認していたが、後に「黒い塊のようなものに接触した」として、ひき逃げを容認するような供述を行っている。車検切れ状態での運行も認めているが「その発覚を恐れて逃走したわけではない」とも供述しているようだ。

一方、男は「自分がはねた」とは認めておらず、クルマにも衝突痕が見当たらないことから、警察では死亡した男性がどうような経緯で路上に倒れたのか調べを進めるとともに、他車両が関与した可能性についても調べを継続させる方針だ。

《石田真一》

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