ピレリのアートディレクターを1960年代に務め、ガソリンスタンド、アジップのシンボルマークを手がけたことで知られるグラフィック・デザイナー、ボブ・ノールダが11日ミラノで死去した。82歳だった。
15日にミラノの聖マリアグラツィア教会で葬儀が行われた。
ノールダは1927年オランダ生まれ。アムステルダムでデザインを学んだのち、57年にミラノに移住。グラフィック・デザイナーとして活動を開始した。61年にはピレリ社のアートディレクターに就任。同社黄金期のイメージをデザイン面で構築するのに貢献した。
また、今日まで続く石油会社ENIおよびそのガソリンスタンド網、アジップのデザイン計画にも参画。従来から使用されていた「4輪+運転者の両脚」を意味する「6脚の犬」の図案をもとに、今日に続くシンボルマークを考案した。
さらにイタリア・ツーリングクラブのシンボルマークや、イタリア自動車クラブ(ACI)の100周年記念・新ロゴもデザインした。
ノールダは他にも、ロンバルディア州の州章、ミラノ交通営団の各種表示デザイン、百貨店、ラ・リナシェンテやイタリア生活共同組合COOPのロゴ、さらに陶器メーカー、リチャード・ジノリのシンボルも手がけ、「コーポレート・アイデンティティ(CI)の父」と呼ばれていた。著名なデザイン賞「コンパッソ・ドーロ(金のコンパス)」も、数回にわたり受賞した。