パリ交通公団(RATP)は1月18日、二次元バーコード「フラッシュコード」を使用したリアルタイム情報提供を正式に開始したことを発表した。
バスおよび市電の停留所に貼られた二次元バーコードを対応携帯電話のカメラで読み取ると、直近でやって来る2本の待ち時間を知ることができる。
パリの停留所には、以前から直近2本の待ち時間がわかる液晶表示版が設置されていた。だが、これからは利用者が家や仕事場にいても、以前に一回読み取った停留所の最新運行情報を知ることができる。工事による臨時バス停などの情報も同時にわかる。
RATPは、パリおよびイル・ド・フランス圏内のバス350路線・市電3路線の1万1000停留所に2万枚を超えるフラッシュコードを貼り付け済みだ。
フラッシュコードは、フランス・マルチメディア・モバイル協会(AFMM)」と仏国内で移動通信事業を展開しているボイグテレコム、オランジュ、SFRが推進する二次元バーコード方式。QRコードとの互換性はない。すでにフランス国内では、雑誌や広告媒体の一部がフラッショコードを使用している。
日本でも東京都交通局が2006年から、QRコードを使用した情報システムを提供しているが、RATPの二次元バーコードサービス利用者の増加には、一定の時間がかかるものと思われる。
なぜなら、ヨーロッパの携帯電話は、購入した時点で二次元バーコードが読み取れる機器は極めて少なく、利用者が自分の機器が対応可能か確認したうえでアプリケーションをダウンロードする必要があるからだ。
ちなみに筆者は正式導入直後に約1週間パリでバス・市電を頻繁に利用したが、停留所で携帯をかざしている人を見かけることは無かった。
ただし、年間を通じてストライキやデモで公共交通機関が混乱することが多いパリだけに、提供する情報量と迅速性によっては、このRATPのサービスは有用な都市メディアとなろう。