【新聞ウォッチ】豊田社長「カイゼン」、また日産の発表とバッティング

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記者会見(9日)
記者会見(9日) 全 2 枚 拡大写真

気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2010年2月10日付

●トヨタ43万台リコール、日米欧、プリウスなど4車種(読売・1面)

●トヨタリコール、信頼カイゼン前途多難、「安全」から一転「欠陥」/米公聴会も正念場、日本車全体へ波及懸念(読売・3面)

●車大手売上高全社が減、4-12月期、海外など先行きも不安(読売・10面)

●トヨタ社長歯切れ悪く「不具合」避け「抜ける」連発(読売・31面)

●米紙報道、カローラの調査検討、米当局「パワステ不具合」(朝日・13面)

●1月、中国の新車販売最多更新166万台(朝日・13面)

●「プリウス」リコールで波紋、タクシー「乗車拒否」が心配、自治体、自粛、対応待ちに(毎日・28面)

●トヨタ社長「自分の言葉で、私流のカイゼン」(東京・9面)

●半導体、東芝、8000億円で新工場、3年後、能力倍増(日経・1面)

●日産、一転最終黒字に、今期350億円、中国で小型車好調、営業利益2900億円(日経・1面)

●小糸工業、業績下ぶれ必至、航空機座席データ改ざん(日経・13面)

●低価格の世界戦略車、日産、メキシコで生産(日経・11面)

ひとくちコメント

新型『プリウス』などのハイブリッド車のブレーキ問題で、トヨタ自動車が安全上の「不具合」だとようやく認めてリコール(回収・無償修理)を届け出た。豊田章男社長が9日午後3時半から東京本社で緊急会見し、「品質、安全性で迷惑、心配をかけたことをおわびする」と陳謝。

きょうの読売、朝日、産経が1面トップで報じたほか、各紙が経済面、社会面などでも詳しく取り上げている。リコール問題で豊田社長が会見するのは先週5日夜に次いで2回目。

約1時間50分の中で、豊田社長の発言で印象深かったのは「トヨタは絶対に失敗しない全能な存在とは思っていない。お客様の指摘は必ず改善し、いい加減なごまかしはしない」と信頼回復に全力を挙げる姿勢を示したこと。

対応が後手に回ったことだけでなく、社長自らが語ろうとしないと批判されたことについては「会社として一番詳しい人間がタイムリーに説明すればいいと思っていたが、今は社長然とせずに、現場に出てしっかり自分の言葉で語っていこうと思っている」と低姿勢。

「批判があるから出てきたわけではない。これも私流のカイゼンと理解して欲しい」と弁解した。しかし、「信頼カイゼン前途多難」(読売)、「感覚の問題、不信増幅」(毎日)「対応遅れ くすぶる不満」(東京)、社会面では「トヨタ社長歯切れ悪く、『不具合』避け『抜ける』連発」(読売)、「トヨタ遅いよ」(朝日)などと手厳しい。

それでも日経だけは「信頼回復へ陣頭指揮、英語交え海外に目配りも」と前向きな記事を掲載している。1面でも「日産、一転最終黒字に」の見出しのほうを大きくするなどの気配りが目立つ。

もっとも、日産自動車も午後4時半から横浜本社で志賀俊之COOが2009年度第3四半期の決算を発表したが、出席した記者は少なく、紙面でも日経以外は見当たらない。前回の中間決算(09年11月4日)の時も「F1撤退」についての豊田社長の緊急会見とバッティングした。

少し時間をずらせばいいことで、事前調整もせずに現場に出て説明する「私流カイゼン」もいいが、2度もバッティングされて迷惑した日産や右往左往させられたメディアへの配慮も信頼回復の第一歩だろう。

《福田俊之》

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