【三菱 RVR 新型発表】空力達成のための1000分のいくつ

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RVR新型
RVR新型 全 4 枚 拡大写真

新型三菱『RVR』の開発において、第一目標は燃費性能の向上であった。デザインにおいても空気抵抗の低減が求められ、大変苦労したとデザイン本部デザイン部エキスパートの金澤秀晃さんは語る。

画像6枚:CR-Zと伊東孝紳社長

「最初のステージからスケールモデルを出来るだけ作りました。それを風洞試験に持ち込み、現場でデザイナーとモデラーが盛ったり削ったりしながら計測しなおしてと、数えきれない回数をやりました。デザイナーと空力屋さんでケンカになって、もう出て行けと言われるくらい徹底してやったのです」

空力の目標値はCD値0.33。「グランドクリアランスが200mm近いクルマでは、我々としては未知の領域の数字で、こんなこと出来るのかと思いました」と金澤さんは振り返る。

「実際には、まず居住寸法、特に後席の居住性を空力のロジックとどうバランスさせるか、また後方視界をどうするのか、といったところを、“もう少し出来るのか、出来ないのか”と詰めていきました」

「ディテールだと、例えば、サイドエアダムは、チッピング(石跳ね)と空力と乗降性の要件が重なってくるところです。空力を良くすると乗降性が悪くなるとか、いろいろあるのです」

「新型RVRでは、真ん中辺を乗降性のために(内側へ)叩きました。そうするとギュッと叩いたところから風が上にあがる。その風が、リアホイールの前で車体から剥離する(流れを乱す)風を押さえ、後ろまで風が通って行くようになりました。こんなところが意外と効いたりしました」

「本当に1000分の何がしかの積み重ねをやっていった結果、0.33になったのです。非常にチャレンジングで達成感のあるところだったのです」と空力デザインについて語った。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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