気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2010年3月26日付
●トヨタ生産ライン休止検討(読売・11面)
●高島屋と阪急阪神、破談、統合、規模の利点みえず(朝日・1面)
●カセットボンベで発電機、ホンダが開発災害時も(毎日・7面)
●商船三井社長に武藤氏(産経・10面)
●リチウムイオン電池、パナソニック、世界最大級の工場完成、電機各社増産シフト(産経・10面)
●エコなBMW(産経・11面)
●自動車保険、あいおい損保、トヨタ販売店と連携強化(産経・11面)
●電気タクシー、東京走る、クリーンで乗り心地滑らか(東京・1面)
●日産・ダイムラー相互出資、ルノー含め3社連合、5%未満で最終調整(日経・1面)
●ハイブリッド装置供給、トヨタ、マツダと最終合意、搭載車13年にも中小型で(日経・3面)
●英国工場の縮小、8月実施を表明、トヨタ(日経・11面)
ひとくちコメント
日産自動車・仏ルノー連合と独ダイムラーとの間で進行中の提携交渉で、日産もダイムラーと相互出資する方向で最終調整に入ったという。きょうの日経が1面トップ、読売、朝日も同様の記事を取り上げている。
記事によると、日産は当初、環境技術など業務面での提携に絞って交渉に参加していたが、「日産は交渉を進める中で、資本提携に踏み込んだ方が、日産・ダイムラーの取り組みへの真剣さが増し、中長期的に効果が高い」(朝日)と判断したとみられる。
日産は25日、横浜の本社で経営会議を開き、カルロス・ゴーン最高経営責任者(CEO)が提携方針を提案し、理解を求めたという。ルノーの会長を兼務する.ゴーンCEOは近くダイムラーとの最終交渉に臨み、ダイムラーの株主総会が予定される4来月14日までに結論を出す意向。
実現すれば日仏独の大手自動車メーカー3社による株式持ち合いに発展する可能性が出てきた。自動車業界でも生き残りを賭けた再編の動きが加速しているが、トヨタ自動車とマツダがハイブリッド技術で提携することで最終合意したと、きょうの日経が伝えている。
「最終調整」に「最終合意」、表現の仕方はいろいろだが、三菱自動車と仏プジョーシトロエンの資本提携、サントリーとキリンビール、さらに高島屋と阪急阪神百貨店などは、土壇場で交渉が決裂、経営統合を断念した。今回の日仏独の3社連合も「調印」という言葉を聞くまでは鵜呑みにできない。