コンクリート投げ込み男、殺人未遂罪で懲役9年の実刑

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2008年11月、埼玉県羽生市内の東北自動車道上り線にコンクリート塊を投げ込み、上り線を走行していたトラックにこれを命中させて運転者に重傷を負わせたとして、殺人未遂罪に問われた36歳の男に対する判決公判が3月30日、さいたま地裁で開かれた。

被告弁護側は「被告は薬物影響によるとみられる幻聴に悩むなど、心神耗弱状態にあった」と主張していたが、さいたま地裁の田村真裁判長は「事件当時の被告は薬物を原因とする心神耗弱状態だった認められる」とした。

しかし、その一方で被告の男が2007年10月ごろから放火事件を繰り返していたことにも触れ、この際の供述や精神鑑定から「刑事責任能力は有している」と判断。本件においても「未必の殺意が生じていた」として殺人未遂罪の成立を認め、被告に対して懲役9年の実刑判決を言い渡している。

起訴状によると、問題の事件は2008年9月11日未明に発生している。羽生市弥勒(N36.10.24.4/E139.35.26.2)付近の東北自動車に車止めなどに使う重量約20kg級のコンクリートブロックが投げ込まれ、上り線を走行中の普通トラックを直撃。運転していた48歳(当時)の男性が重傷を負った。

警察は2009年4月に別の放火事件ですでに逮捕されていた男が容疑に関与したと判断。殺人未遂容疑で逮捕した。埼玉・茨城・千葉の各県で発生した14件の同様案件にも関与した疑いがあったが、捜査中に心神耗弱状態を主張していたという。

《石田真一》

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