日産自動車は日産テクニカルセンター(神奈川県厚木市)内にあるデザインスタジオを一部公開し、デザインスケッチ作成などのプレゼンテーションを行った。どんなクルマでも、デザイン開発はデザイナーが自分の手で描く一本の線から始まるのだ。
デザイン画を描く際、「手で描くときは、頭の中で考えた線と出てくる線はほぼ同じです。でもPCソフトを使った場合、意図しない微妙な違いが色々出てくるのです。そのまま続けるとどんどんぎこちなくなって、うまく描けないのです」(説明担当デザイナー)という。
「まず自分の手で描いた後、それをスキャンしてデータに取り込んでいます。その後、細かい内容を描き込んでいるのです」
デザイナーは最初、線と円を練習するのだという。「まず、円というのを描けなければいけない。タイヤを描かなくてはいけないからです。円が描けたら、色々な角度の楕円が描けるようになります」と円の重要性を語る。そして線に関しては、「クルマが走っているのを連想させる、勢いのある線を描けることが大事です」という。
デザイン画を自分の手で描くとき、使う画材は普通に売っているボールペンだったり、ある人はサインペン、シャープペンだったりと人それぞれだという。PCソフトも筆記具も、特別なものは使っていない。「カーデザイナーはなりたいと思えば誰でもなれるのです」。