フォルクスワーゲンは16日、ドイツで5月15 - 16日に開催される「ニュルブルクリンク24時間耐久レース」に、『シロッコ』の天然ガス仕様、『シロッコGT24-CNG』を投入すると発表した。
フォルクワーゲンは2008年の同レースに、正式発売前のシロッコを投入。最大出力330psを誇る「シロッコGT24」は、排気量2.0リットル以下のターボ搭載車で争うSP3Tクラスで、1 - 2フィニッシュの快挙を成し遂げた。
2009年、フォルクスワーゲンは、08年のマシンの発展形として、燃料をCNG対応としたシロッコGT24-CNGを2台開発。2.0リットル直列4気筒ターボ「TSI」は、最大出力300ps、最大トルク35.7kgmを発生しながら、CO2排出量は08年マシン比で約25%低減させることに成功した。
CNG仕様の駆動方式は市販版と同じFFで、トランスミッションは6速DSG。外観はリアの大型ウイングが特徴だ。そして、このシロッコGT24-CNGの2台のうち1台が、オルタネイティブパワートレーンクラス(ATクラス)で見事優勝。総合でも17位に入る大健闘を見せた。
今年のニュルブルク24時間耐久には、シロッコGT24-CNGを3台エントリー。最大出力は09年比で30ps引き上げて330psとしながら、CO2排出量はガソリンエンジン比で約80%も低減させた。
さらに、いくつかの実験工房的技術も組み込まれ、アクティブ電子油圧ディファレンシャル、耐久性を高めた大容量ブレーキ、新ライトシステムなどがテストを兼ねて装着される。
また、ドライバーのひとりとして、今年1月のダカールラリーにおいて、「レーストゥアレグ」を駆り、総合2位でゴールしたカタールのナッサー・アル-アティーヤ選手を起用する。
すでに2010年型のシロッコGT24-CNGは、ニュルブルクリンクで走行テストを行い、8分47秒337のベストタイムをマーク。フォルクスワーゲンは今年も、同レースのクラス優勝を視野に入れている。