パイクスピークにヒュンダイが750psマシン…打倒、モンスター田嶋

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ジェネシスPM580
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ヒュンダイモーターアメリカは19日、「第88回パイクスピーク国際ヒルクライム」の最高峰、改造無制限クラスに参戦する『ジェネシスPM580』の概要を公表した。この750psマシンの目標はズバリ、「打倒、モンスター田嶋」である。

米国コロラドスプリングスで1916年から開かれているパイクスピーク・ヒルクライムは、世界で最も有名なヒルクライムレース。米国のモータースポーツとしては、「インディアナポリス500」次ぐ歴史を持つ。

競技は全長19.3kmのコースを一気に駆け上がり、タイムを競う。標高はスタート地点が2877mで、ゴール地点が4300m。標高差1423m、コーナー数156、コース後半の路面は未舗装路で、ゴール付近では標高の高さに起因する酸素不足により、パワーが約30%ダウンするという過酷なモータースポーツだ。毎年はトラックや2輪も含めて、約200チームが参加する。

ヒュンダイは昨年の同レースに、『ジェネシスクーペ』を投入。RMR(リース・ミレン・レーシング)からエントリーした。RMRは米国のドリフトキング、リース・ミレン氏が代表兼ドライバーを務める。同氏は父親がロッド・ミレン氏、叔父がスティーブ・ミレン氏というレーサー一家。05年にはGMのポンテアック『GTO』に乗り、米国のフォーミュラDのチャンピオンに輝いている。

このジェネシスクーペは、V型6気筒エンジンの排気量を市販車の3.8リットルから4.1リットルに拡大。ターボネティクス社製の大容量ターボを追加するなどのチューニングを施した。この結果、最大出力は310psから550psへ、最大トルクは36.8kgmから71.9kgmへ、大きく向上。パワーウェイトレシオは1.98kg/psと驚異的な数値をマークしている。

徹底した軽量化を施しているのも特徴。内装材はすべて取り払われ、ボディパネルのほとんどがカーボンファイバー化された。トータル重量はわずか1088kg。空力性能は大型リアウイングやリアディフューザーで磨き込まれ、ワイド化されたリアフェンダーには265/40R18サイズのトーヨー『プロクセスR1R』が収まる。

さらに、ボディ剛性も徹底的に高められ、A/Bピラーなどを強化。室内には強固なロールケージが張り巡らされる。シートはスパルコ製のフルバケット、トランスミッションはHKS製のシーケンシャルを採用。足回りにはKW製の車高調整サスが組み込まれた。

昨年のパイクスピークでは、ジェネシスクーペがそのポテンシャルをフルに発揮。クラス新記録となる12分09秒397のタイムで、見事に後輪駆動クラスを制した。9回目の挑戦となるリース・ミレン氏にとっても、自己ベストを1分23秒短縮する好成績だった。

ところが、上には上がいる。同レースの最高峰、改造無制限クラスを制し、総合優勝を飾ったのはスズキ『SX4』で出走した「モンスター田嶋」こと、田嶋伸博選手。タイムは10分15秒368だった。

ヒュンダイは今年のパイクスピークでは、田嶋選手と同じ改造無制限クラスにステップアップ。ジェネシスクーをベースにしたジェネシスPM580で参戦する。

ジェネシスクーペがベースとはいえ、改造無制限クラスだけに、実際にはほとんど別モノ。ルマンスタイルのカーボンファイバー製ボディは、エンジンを含めてわずか840kgという軽さだ。リアには、可変式のリアウイングが装備されている。

エンジンは昨年の4.1リットルV型6気筒をベースに、HKS製T04Zターボを装着。最大出力は750psを絞り出し、パワーウェイトレシオは1.12kg/psという化け物だ。

駆動方式は4WDで、アクティブセンターディファレンシャルにより、フロントへの駆動力配分は10‐100%の間で可変。ブレンボ製のカーボンブレーキも採用される。

ジェネシスPM580は、パイクスピークで10分を切るタイムを目標に掲げる。常勝モンスター田嶋に待ったをかける秘密兵器は、6月27日のレース本番に向けて、最終仕上げの真っ最中だ。

《森脇稔》

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