ザガートのアルファレーサー、TZ3…超軽量なワンオフモデル

自動車 ニューモデル 新型車
TZ3コルサ
TZ3コルサ 全 8 枚 拡大写真

イタリアのカロッツエリア、ザガートは25日、ワンオフモデルのレーシングカー、アルファロメオ『TZ3コルサ』を、イタリア・コモ湖畔で開幕した「コンコルソ・デレガンツァ・ヴィラデステ」で正式発表した。

ザガートは1919年、イタリア・ミラノに設立。航空機の機体開発から得た軽量設計ノウハウを生かし、1929年にアルファロメオ『6C 1750 GS』、1932年にアルファロメオ『8C 2300』など、数多くの名車を送り出してきた名門だ。アストンマーチンやマセラティとのコラボレーションでも、その名を世界に知らしめた。

TZ3コルサは、アルファロメオとザガートの90年に渡る協力関係と、アルファロメオの創業100周年を記念して製作されるレーシングカー。車名のTZとは、アルファロメオとザガートが共同開発し、1963‐65年にかけて107台が生産されたアルファロメオ『ジュリアTZ』に由来している。

TZ3コルサのパワーユニットは、ドライサンプオイル潤滑システムを備える4.2リットルV型8気筒ガソリンエンジン。マセラティ用の4.2リットルV8がベースとなっており、参加するレースに合わせてスロットルなどの手動調整が可能だ。最大出力は420psを発生し、フロントミッドシップに搭載される。

ハンドメイドによるアルミ製ボディは、わずか850kgという軽量さ。420psのパワーは6速シーケンシャルトランスミッションを通じて後輪に伝えられ、TZ3コルサは0‐100km/h加速3.5秒、最高速300km/hオーバーという高性能ぶりを発揮する。

プッシュロッド方式のサスペンションは、オーリンズ製。タイヤはピレリ『P‐ZERO』のレーシングスリックで、サイズは前245/645R18、後ろ285/645R18だ。

2シーターのキャビンは、OMP製のWRC(世界ラリー選手権)タイプバケットシート、フルハーネス、カーボンファイバー製ステアリングホイールなど、レースに特化した空間となる。

TZ3コルサは、モノシェル構造のカーボンファイバー製チューブラーシャシーに、チューブラーフレームを組み合わせた、オリジナル軽量アルミ製ボディを採用。そのボディサイズは、全長4345×全幅1944×全高1200mm、ホイールベース2500mmだ。ロングノーズ&リアのハイデッキスタイルに、かつてのTZのイメージが反映されている。

アルファロメオが2006年、500台を限定発売した『8Cコンペティツィオーネ』(全長4397×全幅1892×全高1340mm、ホイールベース2646mm)との比較では、ザガートTZ3は52mm短く、52mmワイド、140mm低い。ホイールベースは146mmも短い。

今回、謎に包まれていたザガートTZ3コルサの注文者も判明。ドイツ人のMartin Kapp氏で、アルファロメオザガートのコレクターとして知られる人物だ。Martin Kapp氏は、世界に1台のTZ3コルサでレースに出走し、ザガートの栄光の再来を狙う。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. マツダ『CX-5』新型を欧州で発表…日本では2026年中に発売
  2. 真夏のダッシュボードが20度以上低下!? 驚きの遮熱サンシェード新時代[特選カーアクセサリー名鑑]
  3. BMWの電動スクーター『CE 04』、3つの新デザインバリエーション発表
  4. ジープ『コンパス』新型の写真公開! アウトドアファンの要望に応える新インテリア
  5. マツダ『CX-5』新型、欧州からデビュー…ラインナップ最量販のクロスオーバーSUV[詳細画像]
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  2. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  3. リチウムイオン電池の寿命を2倍に、矢崎総業、バインダフリー電極材料を開発
  4. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  5. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
ランキングをもっと見る