富士通テンと富士通研究所は26日、3次元仮想試作システムVPS上で、製品の3次元設計モデルに仮想的なカメラを設置し、カメラ画像をリアルタイムに確認することができるカメラ画像シミュレータを業界で初めて開発したと発表した。歪みの大きい魚眼レンズをはじめ、各種カメラに対応する。
このシミュレータを使用することで、実機を使用することなくカメラで映し出す画像の範囲や見え方などの確認が可能となり、設計段階でレンズ仕様や最適な取り付け位置など様々な検討を行うことが可能となる。
富士通テンの車載用製品では、実際に車両にカメラを取り付ける必要が無く、パソコン上でカメラ画像の確認が可能となるため、設計段階の検討工数を約10分の1に短縮できる。さらに、様々な検討が行えることから高精度な画像も確認でき画像品質の向上も図れる。
同シミュレーターは、5月に発売されるトヨタ自動車のモデルのディーラーオプション製品「マルチアングル全周囲モニター」の開発に採用された。取り付け誤差を考慮したカメラ画像や、車両周辺の任意の位置に配置した人や物の見え方の確認など、実機では実現困難な条件下での確認を可能とした。
今後、富士通グループとして車載以外のカメラ製品への応用も検討する。