トヨタ、北米にEDR読み込み装置を導入

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米国トヨタ自動車販売(TMS)は5日、イベントデータレコーダー(EDR)のデータ読み込み装置150台が北米に導入されたことを発表した。

EDRは、事故発生時の車両状況を記録し、事故の原因解明や以後の安全対策に役立てる為の装置として、2012年より米国で販売される新車への装着を義務付ける法案化が進んでいる。

現在トヨタ車に採用されているEDRは、エアバッグセンサー作動時の車体の前後左右にかかる加速度およびロール角、エンジン回転数、アクセル開度、ブレーキ動作の有無を記録する仕組み。

北米のトヨタ車への導入は2001年に始まり、現時点では100%搭載されているとのことだが、一部車両のEDRは事故発生前まで遡って記録できない仕様の為、今後は一定時まで遡ってデータを記録できるタイプのEDRを全車に採用する方針だ。

一方、EDRに記録されたデータを読み込む装置だが、一連のリコール問題が起きた2009年秋の時点では北米にはプロトタイプが僅か1台しかなく、読み込み装置の早急な全米展開が求められていた。今回、トヨタは北米に導入した150台の読み込み装置のうち、ソフトウェアを含めた10台をNHSTA(米国運輸省道路交通安全局)に、残りの4台をカナダ運輸局に引き渡したとアナウンスした。

発表に際し、北米トヨタ品質管理担当のスティーブ・セントアンジェロ氏は、「EDR読み込み装置の数を増やし、全米内でさらに多くのスタッフを訓練することによって、トヨタはより迅速で適切、且つ効果的に顧客の懸念に応えることができるようになります。我々は我々の顧客と議会に約束した通り、トヨタの新しいカスタマーケアのスタンダードを築く努力を続けて行きます」とコメント。

またトヨタは将来的には顧客の要望によって関連各所へのEDRのデータ開示をスムーズに行えるようなシステム構築も検討中とのこと。EDRに記録されているデータについては、州により個人情報としてオーナーに帰属するなど各州法により解釈が異なる。EDR装着の義務化が進む中、今後の調整が必要とされる案件だ。

トヨタ広報によると専用のソフトウェアを使った読み込み装置のトレーニングは北米各地域のトヨタ社内のサービス部門で行われているが、読み込み装置自体は販売店の修理工場では取り扱わないという。

《ケニー中嶋》

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