東北大、グリセリンから高機能性繊維原料を生成する触媒を開発

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東北大学大学院工学研究科の冨重圭一教授らの研究グループは19日、グリセリンから高機能性繊維原料を生成する高性能な触媒の開発に成功したと発表した。

植物油から製造されるバイオディーゼル燃料(BDF)は、化石資源利用の低減や二酸化炭素排出量削減に結びつくことから近年注目を集めている。BDFはグリセリンの高級脂肪酸エステルである油を、メタノールなどの低級アルコールとエステル交換反応させることで製造される。

この反応ではBDFとして利用される目的物の脂肪酸メチルエステルに加え、重量で約10%のグリセリンが生成する。グリセリンは水洗処理によりBDFから取り除かれるものの、グリセリン水溶液の有効な利用法が無く、水溶液の状態から有用な化成品に変換するプロセスの開発が望まれている。

今回開発した触媒を使ってグリセリン水溶液を120度で80気圧の水素と反応させると、最高収率38%と従来の触媒よりはるかに高い値となった。触媒回転数も500以上に達した。活性成分の反応溶液への溶出は観測されず、触媒を反応後回収して焼成処理し、反応に再使用する操作を3回繰り返しても活性の低下は見られなかったとしている。

今後、触媒を改良し、企業とも連携しながらBDF製造プロセスとの接続に取り組む方針だ。

《レスポンス編集部》

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