[G's]ヴォクシー/ノア…見えないところにチューニングと特殊パーツ

自動車 ニューモデル 新型車
ノアG's Version EDGE
ノアG's Version EDGE 全 7 枚 拡大写真
GAZOO Racingがチューンしたトヨタ『ヴォクシー/ノア』の「G's」仕様だが、さらに特別パーツを組み込んだ「G's Version EDGE」というモデルがある。

ノーマルの(という言い方も変だが)G'sは、すでに専用サスペンションキット、ブレーキパッドなどで武装されているが、Version EDGEでは、さらに見えないところに大幅な変更や特殊パーツが装備されている。

まず、ボディ下部、床下空力パーツ。フロント、ホイールハウス、サスペンションメンバーにスパッツと呼ばれる整流用のフラップが取り付けられている。これにより、タイヤのグリップと走行安定性を向上させる。前面投影面積が大きく、リアが切り立っているミニバンは、空力面では、ボディ下部の空気の流れをうまく処理することが重要だ。目立たず小さいパーツだが、高速走行などでは無視できないパーツだ。

そして、ミニバンでは普通ではないスポット増しによるボディ補強と前後のブレースとパフォーマンスダンパー。これらはボディ剛性を向上させ、クイックな動きを実現する。スポット増しは、フロントドアの開口部とサイドシル下側に施されている。競技車両などではサイドシルに発砲ウレタンを充填してボディ剛性を上げることがあるが、サイドシルの補強はボディのねじれ防止に効果が高い。

ミニバンにこれだけのチューニングを施す必要があったのか。トヨタ自動車カスタマーサービス本部 C&A開発部 カスタマイズ開発室 S-Conグループ長、河野和彦氏は、「最近の車は設計が最適化されており、純正部品をスポーツパーツに交換するだけではチューニングにならないこともあります。また、カスタマイズによって交換されることを前提にした設定や仕様では、交換後して取り外したパーツが無駄になってしまいます」とカスタム事情を説明する。

「それならば、最初から一定のレベルまで仕上げた状態で販売したほうがいいだろうということです。G's Version EDGEは、高速の安定性も自信ありますが、ワインディングでもかなりクイックに動いてくれるはずです」とのことだ。

確かにボディ補強のためのスポット増しは、後から行う場合、エンジンや内装、ドアなどすべて取り外してボディだけの状態にする必要がある。メンバーやフレームにブレースを取り付けるのも、高度な設計と大がかりな作業が必要だ。ベースとなる通常の「ZS」との価格差がおよそ60万円アップ(G's Version EDGEの希望小売価格は315万円)となるが、同じ仕様に後から変更することを考えれば妥当といえるだろう。

《中尾真二》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「TWIN TURBOのロゴ懐かしい!」Z32ファン感涙、レトロ感あふれる新型『フェアレディZ』が話題に
  2. 【プジョー 3008 新型試乗】全身鋼のような硬さに満ち溢れる。これが新時代のプジョーか…中村孝仁
  3. 「思ったよりだいぶ安い」トヨタ『GRヤリス』に新登場、エアロパフォーマンスパッケージに絶賛の声
  4. メルセデスベンツ初のEVワゴン、CLAシューティングブレーク新型…IAAモビリティ2025
  5. メルセデスベンツ『Cクラス』次期型を予告、光る大型グリル採用…初のEVも設定へ
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る