パナソニックは8日、住之江工場で6月より同社のリチウムイオン蓄電システムと子会社の三洋電機の太陽電池を組み合わせたシステムの実証試験を開始したと発表した。
住之江工場内に太陽電池パネルと、リチウムイオン電池モジュール4個と充電器で構成する蓄電システムを設置した。このリチウムイオン蓄電システムを構成するモジュールは、ニッケル系正極を用いた高容量・高耐久性のリチウムイオン電池140個で構成する。発電能力2.8kWの太陽電池パネルと、蓄電能力6kWhの蓄電システムで、工場事務棟で使う電力の一部をまかないながらデータを収集する。
実証試験では、太陽光発電との組み合わせによるリチウムイオン蓄電システムの充放電を検証するほか、長期連続稼働によるリチウムイオン蓄電システムの信頼性を評価する。これによって太陽電池からの出力電圧、電流と、蓄電池の充放電特性のデータを計測する。
パナソニックは、リチウムイオン電池を用いた蓄電システム、バックアップ電源市場が2018年には現在の100倍を超える2500億円の需要を予測している。今回実験を行う蓄電システムを活用すれば、クリーンなエネルギーを家庭用蓄電や電気自動車用動力源など、環境エネルギー分野向けの様々な用途に対応できる可能性が拡がる。
パナソニックグループでは2011年度に蓄電システムの事業化を目指す。