[参院選10]史上最速の選挙チーム 最後はオープンカー

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舘信秀候補と鈴木亜久里選対本部長 (10日・中央区の選挙事務所前)
舘信秀候補と鈴木亜久里選対本部長 (10日・中央区の選挙事務所前) 全 2 枚 拡大写真

第22回参議院選挙は、選挙区と比例区あわせて121の定数に対して、約440人が立候補した。

「最初はこっ恥ずかしいからオープンカーに乗って手を振るなんて絶対やらないって思ってたんだけどね。それにも増して、最後まで悔いを残さずやろうっていう気持ちが強くなって……」

10日の正午、中央区銀座7丁目の選挙事務所を出た館信秀氏(63)はそう言い残すと、待たせていたレクサス『IS250C』の後部座席に身を縮めるようにして乗り込んだ。

助手席には大型の拡声器を起き、隣には元F1レーシングドライバーの鈴木亜久里氏(49)が座った。モータースポーツでは鈴木氏の相談役だった館氏が、参院選レースでは自らハンドルを握り、鈴木氏が選対本部長を買って出た。

館氏は、レース中に手の切断を迫られるほどの大事故に遭遇しながら、これまでに1000近いレースに出場。72年、トヨタファクトリードライバーとして日本グランプリで優勝した。元レーシングドライバーで、現在は「トムス」を経営、レーシングチーム・オーナーでもある。

「これは11年前のリベンジ」。館氏が語る一番最初のアジェンダ(政策目標)は、「ECOラン・グランプリ」を日本各地で開催することだ。1999年、館氏は東京都知事に立候補した故・柿沢弘治元外相と「東京グランプリの開催をめざす会」を立ち上げたことがある。みんなの党からの出馬は、柿沢氏の長男である柿沢未途代議士がつないだ。

東京グランプリは、お台場レース構想だったが、柿沢氏亡き後、今度は自らでECOカーで「若者にモータースポーツを通して夢を与えたい」(後援会挨拶)と抱負を語る。

景気はお祭り気分だけでは上昇しない。モータースポーツに関係することで見えた自動車産業の技術力を、レースという側面から盛り立てる。そこにECOカーで磨かれる最先端の環境技術を加えることで国際競争力を高めようという練り上げた構想だ。

ただ、それと共に当選したら最初にやりたいことがあると、館氏はいう。「公職選挙法を変えたい。相当古い法律がそんなに大きく変わらないで今まで続いている。投票率を上げるには若者が簡単に参加できるようにしたほうがいい。今の選挙法は、世襲が強いし、古いおっさんたちが当選するようになっている。ある意味、組織票も打ち破れない。もう少しやり方があるように感じる」。

長い選挙戦で手を振りすぎて、右手が挙がらないと腕をさすりながら、それでも声援に大きく両手を振って応える。

9日の夜はJR有楽町駅で、近藤真彦(45)が生涯初の演説で館氏を応援をした。最終日は夫人も別のオープンカーに乗り込んで、当選のチェッカーフラッグを目指す。

《中島みなみ》

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