JFEスチールは、自動車生産台数の成長が見込まれるインド市場に本格参入するため、インド大手民間鉄鋼メーカーのJSWスチールと資本提携することで合意した。
JFEはJSWと2009年11月に戦略的包括提携契約を締結しているが、資本参加して連携を強化するとともに、JFEが自動車用鋼板の生産技術を供与する。
JFEはJSWが実施する第3者割当増資を480億ルピー(約900億円)で引き受け、14.99%出資する。また、JSWに自動車用熱延鋼板・冷延鋼板の製造技術を供与するほか、原板供給、自動車メーカーへの応用エンジニアリングや製品開発を含む共同サービスも実施する。
インドの自動車生産台数は急速に増加しており、自動車メーカーからの現地調達の要請が強くなっている。今回の技術供与をてこに、JFEはJSWをインドでの自動車用鋼材の現地生産拠点と位置づけ、日系自動車メーカーなどへの供給する体制を構築する。
また、JFEはJSWのビジャヤナガール製鉄所の操業改善に協力する。具体的には、省エネ・環境分野、製造プロセスの品質・歩留改善、設備能力診断、各種指標のベンチマーキングに関して技術供与する。
両社は今後、相互関係を深め、インドで製品全般での協力の拡大を推進して、インド事業を強化する。