横浜ゴムは、主に自動車部品向けに販売してきたポリエステル系ホットメルト型封止材「MM-70」を新たに国内外の電子部品市場向けに販売、販路の拡大を図る。
MM-70は、一般的なポリエステル系ホットメルト型封止材では接着が難しいオレフィン系樹脂にも接着でき、接着性に優れることが特徴。これまでは主に車のアース端子部やリアガラスのデフォッガー(くもり止めのための熱線)部分で、水分の浸入を防ぐため、端子とコードの接続部分を覆うのに使われていた。
接着性の良さに加え防水性や耐衝撃性、絶縁性にも優れることから、今後は電子部品向けにも展開していく。
MM-70は熱で溶かしてから部品と一緒に金型で固める成型工法で使用するため、継ぎ目部分に密着させやすく、ガスケットなど、他のタイプの封止材に比べ防水性が高いほか、硬化後も柔軟性を持つため、外部からの衝撃にも強い。こうした特長を生かし、防水性や耐衝撃性を重視する家電や電子機器の基板、端子などへの採用を目指す。
電子部品市場向けに販売するため、市場のニーズに合わせて着色したペレットも用意した。電子部品市場に向けて販売するため、米国の製品安全規格「UL認証」を取得した。
リーマンショック後の世界的な景気低迷で自動車生産台数が急激に落ち込み、同社の業績も悪化した。既存の製品を自動車向け以外に販路を拡大して、リスクを分散する狙いもある。