電気自動車普及協議会(APEV)は8月27日、先月29日に続いて2回目となるEVコンバージョン部会を開催した。APEVからは会長の福武總一郎氏、代表幹事の中島徳至氏、コンバージョン部会長の田島伸博氏、アドバイザーの草加浩平氏他が出席し、関東運輸局、自動車検査独立行政法人、軽自動車検査協会の担当者と議論を重ねた。
部会に先立って挨拶に立った福武会長は、EVコンバージョンは海外からも注目されていることに触れた。
「先日訪れたニュージーランドは輸入が多い国で、海外債務が悩みになっています。その中身を見ると、いちばん多いのがガソリン、2番目がクルマです。だからこそ既存の自動車の環境対応への関心が高いようです。こうした状況を目にしているだけに、世界に通用するEVコンバージョンのガイドラインを作りたいと考えています」
中島代表幹事は、現状のEVコンバージョンは情報の不足、規制の不備などさまざまな問題があると語った。
「前回の部会では、現場からの意見を伺いました。それをもとに、会員の技術情報などを参考にしながら、まずは足元を固めていきたいと思っています。こうした仕組みを考えるのは、自動車業界では前例がないことです。だからこそ前に進んでいくことが必要だと考えています」
田嶋部会長は、EVコンバージョンの最重要テーマは安全安心であると述べた。
「ひと口にEVコンバージョンといっても、趣味で取り組んでいる人から事業として手掛けている人まで、幅広い裾野を持っています。すべての人が安全に乗れるEVコンバージョンに育てていくことが大切です。まずは改造する人と検査する人、双方からどんなガイドラインが必要かを聞き、話し合いを進めていくつもりです」
APEVでは、ベース車両を手掛ける既存の自動車メーカーにも参加を呼びかけており、すでにいくつかのメーカーからは前向きな返事をもらっているという。