【新聞ウォッチ】日銀、異例の「ゼロ金利」復活、円高阻止は限定的か

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気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2010年10月6日付

●日銀「ゼロ金利」復活 4年3カ月ぶり、デフレ脱却まで継続、国債買い入れ基金創設(読売・1面)

●レアアース代替開発、経済対策原案、総額5兆円に(読売・1面)

●シーテック開幕、3D頼み鮮明に(読売・8面)

●エコカーまだ優遇、減税継続、自治体は補助金(読売・17面)

●F1日本GP8日開幕、可夢偉「鈴鹿の目標1ケタ」「F1生で見てほしい」(読売・26面)

●MY一時82円台(朝日・1面)

●車エンジン生産、スズキ一部縮小、円高で海外移転方針(朝日・12面)

●日産、九州工場を分社化、来秋にも(朝日・12面)

●トヨタ、日欧もブレーキ優先、安全装置国内は来月第一弾(毎日・7面)

●日中首脳「尖閣」は平行線、自画自賛の“茶番会談”菅首相と温首相(産経・1面)

●まだまだ主流ガソリンエンジン、燃費向上に各社しのぎ(東京・9面)

●車・住宅の電力一括管理、エコカー充電、携帯で指示可能、トヨタ、12年に開始(日経・11面)

●電気自動車、電機とITに連携呼び掛け、日産・三菱自(日経・11面)

ひとくちコメント

日銀がゼロ金利政策の復活と、追加の金融緩和策の強化に踏み切った。年0.1%前後としている政策金利を「0から0.1%程度」に引き下げた。2006年7月以来、4年3か月ぶりの事実上のゼロ金利政策である。「日中首脳会談」を“茶番会談”と伝えた産経を除く、きょうの各紙が1面トップ大きく取り上げている。

日銀は5日の金融政策決定会合で、止まらない円高進行や、アメリカ経済の減速などの影響で景気の先行きに対する懸念が強まっていると判断。「異例の措置をとることで、政府と協調しデフレ脱却を目指す姿勢を明確にした」(読売)という。

ゼロ金利政策の復活に対して、社説で読売は「円高を阻止し、これ以上の景気悪化を防ぐための適切な政策と言えよう」と前向きに評価。朝日も「市場関係者の予想を超える思い切ったものになった」と指摘する。日経も「新しい政策に踏み出したのは一歩前進である」との見方を示した。

5日の東京株式市場は一時、157円高まで上げ幅を広げた。未明のニューヨーク株式市場も190ドル以上も上昇。一応に追加の金融緩和策決定を好感する動きがみられるが、一方で、円相場は相変わらず1ドル=83円台で推移。ドル安に押されて早くも息切れ状態だ。

こうした中、独自の円高対策を講じる企業も目立つ。日産自動車は輸出する車種が7割を占める九州工場を本社機能から分社化すると発表。賃金体系の見直しなどコスト削減が狙いだ。また、きょうの朝日が報じているが、スズキは、国内での自動車のエンジン生産を一部縮小する方針という。

今回、日銀が想定以上の追加緩和策を決定しても円高進行阻止の効果は限定的。トヨタ自動車をはじめ、エコカー補助金効果などでせっかく上向きかけた2010年度の決算見通しも、下期は大幅に下方修正することも予想される。自動車などの輸出型企業の業績が回復し、国内での投資意欲を高めるには、政府がデフレ脱却とともに円高進行に歯止めをかける実効ある政策を打ち出す必要がある。

《福田俊之》

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