フジタ社員 1人残されたのはビデオのせい?

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撮影=石田信一郎
撮影=石田信一郎 全 1 枚 拡大写真

「もっと長く留められると思っていた」---。釈放された高橋定さんは、そのときの気持ちを固い表情で語った。

準大手ゼネコン「フジタ」(渋谷区)の4人の社員の中で、高橋さんだけが、なぜ釈放が遅れたのか。

9月20日、日本人社員4人と通訳の中国人1人が乗った車両が、中国河北省石家荘市の軍事管理区域に侵入したと疑われた。

「軍事禁区の看板がある手前30、40m手前」(土屋達朗リスク担当室担当執行役員)で車両を止めたが、そのとき後ろから来た車両から退路をふさがれ、施設から出てきた担当者に、軍事管理区域であることを知らされたという。

4人は「軍事禁区」の看板に気がつかなかった。カメラあったが、ほかの3人との唯一の違いは、高橋さんのビデオには「軍事禁区」という看板が映っていたことだったという。

「1人だけなぜ残されたのか説明はなかった。ビデオで撮影しているということが録画に残っていたので、それで私だけ一人残されて継続の取り調べにされたのではないか」と、高橋さんはいう。

ビデオは18日に高橋さんが買ったばかりで、撮影は操作方法に慣れる試写も兼ねていた。事前調査の出発から空港など町の風景が残っていた。

高橋さんは、フジタから現地法人の「藤田(中国)建設工程有限公司」に出向。工務積算副部長を務めているが、問題になったのはビデオ撮影をした行為だったのか。中国の軍事保護法違反の嫌疑をかけられた。

取り調べでは「知ってて撮影したのではないかと言われたが、継続した撮影で映してしまったのだと、何度も答えた」という。

それ以来、高橋さんは20日。同じ室内に2人の監視が三交代で付く「居住監視」下に置かれた。

《中島みなみ》

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