帝国データバンクは、産業再生機構が支援した企業の追跡調査結果をまとめた。
企業再生支援機構は昨年10月の業務開始から1年が経過する。この間、日本航空やウィルコムなど7案件の支援を決定している。今回、これらの企業の再建が順調かを占う一環として2003年4月から2007年3月まで活動を続けた産業再生機構(旧機構)が手がけた41案件のその後について追跡調査し、機構案件の今後を予想する上での材料にしてもらう。
産業再生機構が支援した41件のうち、後に倒産したアメックス協販とダイア建設の2社を除く39社について、支援終了後のスポンサー動向のほか、直近の2009年度決算の売上動向・財務状況を調査・分析した。カネボウについては本体企業のほか主要な事業を継承した5社も業績調査の対象とした。
機構による支援終了時のスポンサー企業のその後を追跡すると、「継続支援」が26社で全体の66.7%を占めた。一方で、3社に1社は後にスポンサーを「変更」している。
直近2期の売上高が判明した40社のうち、2009年度が「減収」となったのは31社で、全体の77.5%を占めた。2009年度の損益状況は「黒字」が31社で8割以上を黒字となった。再建にともなう業容縮小で売り上げは減少する半面、利払い負担軽減とリストラ効果で収益体質は改善する傾向が強い。
2009年度の財務状況も「資産超過」が25社で全体の6割を超える。「債務超過」「資本食い込み」など、3社に1社は依然として脆弱な財務内容にある。