トヨタ自動車は13日、自動車内装表皮材に豊田通商と共同開発したバイオPETを使った新しいタイプのエコプラスチックを採用すると発表した。
2011年初頭発売のレクサス『CT200h』のラゲージ内装表皮への採用を皮切りに、今後、採用車種、採用部位を拡大し環境に優しいクルマづくりに貢献する。2011年には、エコプラスチックの採用面積が、内装部品の表面積全体の80%を占める車両も投入する予定だという。
バイオPEとは、PET(ポリエチレンテレフタレート)の原料のテレフタル酸70%とモノエチレングリコール30%を配合するうち、モノエチレングリコールをさとうきび由来のバイオ原料に替えて製造したもの。
今回、開発したエコプラスチックは、耐熱性、耐久性、耐伸縮性などで一般的なバイオプラスチックと比較して性能を大幅に向上し、石油系プラスチックと同等のレベルを確保した。コストも原料であるバイオPETの量産によって将来的には、石油系プラスチックとほぼ同等にできる見込み。また、従来のエコプラスチックでは適用できなかったシートや室内カーペットなど、高い性能が必要な内装部品にも適用が可能だ。
トヨタは2000年からエコプラスチックの自動車への適用に向け取り組んできた。2003年5月に発売した『ラウム』のスペアタイヤカバーとフロアマットに、自動車用部品として世界で初めてポリ乳酸を使ったエコプラスチックを採用したのを皮切りに、その後も採用を進め、2009年12月発売の『SAI』では、エコプラスチックの採用面積を内装部品の表面積全体の60%にまで拡大した。
エコプラスチックは、石油系プラスチックに比べ、植物由来なため、カーボンニュートラルの効果があり、製造から廃棄までのライフサイクルでCO2排出量を抑制できるのに加え、石油資源の使用量削減にも貢献する。
バイオPETによるエコプラスチックの自動車への採用は、実用化すれば世界初となる。