【Fニッポン 最終戦】決勝…最後までもつれて自力優勝

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ドライバーズチャンピオンを獲得したオリベイラと、チームチャンピオンとなったインパルの星野一義監督
ドライバーズチャンピオンを獲得したオリベイラと、チームチャンピオンとなったインパルの星野一義監督 全 19 枚 拡大写真

全日本選手権フォーミュラ・ニッポン(Fニッポン)最終第7戦(11月6〜7日/鈴鹿サーキット)は、今季のシリーズ戦では唯一の2レース制大会として開催され、ブラジル出身の29歳、ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラが自身初のシリーズチャンピオンに輝いた。

7日の決勝日、まずは20周のレース1から。自力チャンピオンの可能性を有する4人のドライバーが予選1〜4位を占めるグリッド構成での戦いとなったわけだが、ポールのロイック・デュバル(ダンディライアン・ホンダ)がレース中盤からミッションオイル漏れに見舞われながらも、逃げ切り優勝を達成。

2位には小暮卓史(ナカジマ・ホンダ)が入り、3位はアンドレ・ロッテラー(トムス・トヨタ)。ポイントリーダーで予選2位だったオリベイラ(インパル・トヨタ)はスタートで順位を下げてしまい、4位でのゴールとなった。

この結果、ポイント的にはオリベイラが39.5点、ロッテラー39点、デュバル37点、小暮35点という形勢になり、小暮以外の3人は勝てば自力王座、小暮は勝ってオリベイラ3位以下のケースのみチャンピオン獲得という状況で、レース2を迎えることに。

28周のレース2、王者候補4人のグリッドは、オリベイラがポール、小暮2番手、デュバル4番手、ロッテラー5番手。3番グリッドには小暮のチームメイトで新人の山本尚貴がつけている。

レース2は10周目以降に1回のタイヤ交換義務(本数自由)がある設定だが、給油は行なわない戦略が主流になると思われるなか、1-2フィニッシュして小暮を王座に就けたいナカジマ勢は、タイヤ交換時に給油もする奇襲戦法に出た。スタート時のマシン重量を軽くできるとはいっても、レース距離が短いため、そのメリットは決して大きくない。しかし、そこに逆転王座の望みをかけたわけだ。

小暮は早々にオリベイラをパスして首位に立つ。しかし山本がロッテラーに先行されてしまい、オリベイラが2位を走っている状況では、王座はオリベイラのもの。結局、小暮はピット作業時にエンジンストールをしてしまい、レース2での勝利さえも逃す(3位)。ロッテラー(2位)とデュバル(4位)も予選でオリベイラに敗れていたことが最後まで響いた。オリベイラが見事、優勝でチャンピオン獲得を決める。

昨年はFニッポン参戦機会を喪失していたオリベイラだが、闘将・星野一義監督のチームに加入しての復帰1年目で栄冠を射止めた。「最後まで4人にチャンスがあるというタフなレースだった。何ひとつミスなどできない状況で、プレッシャーも大きかった。でも今シーズン、チームのスタッフと星野サンが、本当によくサポートしてくれた。感謝したい。チェッカーを受けた瞬間は、本当に感動したよ。明日の朝めざめたら、きっと最高の気分になるんだろう」と、オリベイラは喜びを語っている。

チームチャンピオンもオリベイラを擁するインパルが2年ぶりに獲得。また、ルーキー・オブ・ザ・イヤーは山本が受賞した。

翌週にシリーズ外のフジ・スプリントカップを残しているが、Fニッポンの今季シリーズ戦はこれで終幕。過去に何度も王座を獲得している星野監督だが、「こんなに感動したのは久しぶり」と語り、「王座を争った4人を中心に、素晴らしい戦いをしていると思う。だから、もっとたくさんの人に見に来てもらいたいね」という“味なひとこと”で、激戦のシーズンを締めくくってくれた。

《遠藤俊幸》

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