【COTY 選考コメント】輸入ブランド評価は必然…西川淳

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10ベストカー
10ベストカー 全 3 枚 拡大写真

今年は輸入ブランドの当たり年、というか国産メーカーの地盤沈下が激しかった。それはもう10ベストを選ぶ際にハッキリしていて、最終選考に残った国産メーカー車5台のうち、個人的に10ベストに推したのは『CR-Z』と『スイフト』のみ。もう一台、『フーガ』を評価したが選に漏れた。

もちろん、“ガイシャ”の価格面におけるディスアドバンテージを考慮しないではなかったが、我が国のマーケットにおけるクルマそのものの価値を見いだし評価する場と捉え、高付加価値化が軽量小型化と同様に必須となる日本市場の未来に照らし合わせて、自分なりに納得のいく造り込みのなされたクルマを順番に選んでみた。結果的に配点全てが輸入ブランドになったことは、個人の民族意識を抜きにすれば、必然ではあった。とはいえ、日本のメーカーに欧州車を目指せ、と言っているわけじゃない。むしろ逆だと理解してほしい。

正直に言うと、スイフトは相当に悩んだ。クルマのそのものの仕上がりは輸入ブランドに決して劣っていなかったからだ。ただ、あまりに真面目過ぎて、1点以上をプラスする“個性”を見いだすことができなかった。あまりに欧州車風であることも、逆に気になった。

10ベストに残ったクルマは今年の“90点”車だと思って評価している。そこに個人の配点を加えれば、配点10が100点満点になる、というわけだ。今年は5シリーズを100点にした。得意のダイナミックパフォーマンスはもちろんのこと、環境性・安全性も高く、さらには動的静的な質感も相当に高い。特にツーリングの乗り味は秀逸である。去年のEクラスに続き、改めて、このセグメントにおける欧州のクルマ造りの“凄み”を思い知らされた。

西川淳|自動車ライター/編集者
産業から経済、歴史、文化、工学まで俯瞰して自動車を眺めることを理想とする。高額車、スポーツカー、輸入車、クラシックカーといった趣味の領域が得意。中古車事情にも通じる。永遠のスーパーカー少年。自動車における趣味と実用の建設的な分離と両立が最近のテーマ。精密機械工学部出身。

《西川淳》

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