【日産 セレナ 新型発表】跳ね上げ収納こだわり秘策---3列目

自動車 ニューモデル 新型車
セレナ
セレナ 全 6 枚 拡大写真

少し前までは、背の高いミニバンの3列目シートは「左右跳ね上げ式」が定番だった。しかし、ホンダ『ステップワゴン』や日産『エルグランド』などが最新モデルで床下収納式を採用するなど、今のトレンドは必ずしも左右跳ね上げという状況ではない。

理由は、ミニバンの使われ方や考え方の変化だ。かつては「3列目は展開しておくのが常識」だったが、ミニバンが一般化するにつれ「いつもは3列目を収納し、必要なときだけ3列目を展開する」という使い方のユーザーが増加していると考えられる。収納することを前提としたら、斜め後方視界を遮る左右跳ね上げよりも収まりのいい床下収納式のほうが都合がいいのだ。

しかし、新型日産『セレナ』はそんな風潮をあっさりと無視。頑なに左右跳ね上げ式を貫いているのである。

「床下収納はまったく考えませんでした」というのは、セレナの開発をまとめた商品企画室のセグメント・チーフ・プロダクト・スペシャリストの角智彰さん。

「セレナのお客さんの期待は、多人数乗車と荷物の積載性の両立だと思うんです。そのためには、片側ずつ畳めることがマストでした。だから、ステップワゴンのような床下収納は考えませんでした」

ただし、コンベンショナルな左右跳ね上げをそのまま継続しているわけではない。新型セレナの秘策は、シート収納時の高さを175mm下げて、跳ね上げ収納の欠点だった斜め後方の視界をきちんと確保したことだ。これにより、片側シートを収納した状態で3列目に座る人の閉塞感も払拭している。

ただし、先代オーナーにとってはマイナスとなりそうなポイントがひとつ。それは3列目のシートスライド機能が廃止されてしまったことだ。開発陣は「3列目のシートスライドは結局あまり使わないんですよ」というが、ライバルにはなくてセレナだけに備わっていた装備だけにアドバンテージがひとつ消えた気がしないでもない。

《工藤貴宏》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 元世界王者レイニー、34年ぶりのラグナセカを特別なヤマハ『XSR900 GP』で駆け抜ける
  2. ポルシェデザインのタワマンは最高72億5000万円、アジア初バンコクの物件が日本発売へ
  3. タイプRとホンダウイング、ホンダ公認の保冷ボトルホルダー2種が登場…夏のドライブやツーリングのお供に
  4. 劇的に流麗! アウディ『Q3スポーツバック』新型に備えよ
  5. 新型マツダ『CX-5』発表に「先代よりマッチョ」「今風になった」など反響! 注目はサイズとインテリア
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  2. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  3. リチウムイオン電池の寿命を2倍に、矢崎総業、バインダフリー電極材料を開発
  4. トヨタや京大、全固体フッ化物イオン電池開発…従来比2倍超の容量達成
  5. スズキ初のBEVはなぜ「軽EV」じゃない?『eビターラ』開発者が語る「EVの悪循環」と「スズキの強み」
ランキングをもっと見る