ワサビアカデミー2010…意外にキク、というお話し

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刺身やソバに添えられる香辛料のワサビ。高速道路SA・PAレストランのご当地メニューになっていたりもする。このワサビにストレス解消などの効用があるらしい。ワサビの機能性を探る「ワサビアカデミー2010」が6日、東京で開催された。

加工わさび製造大手の金印は、抗ストレスや抗酸化など本ワサビが有する機能性に関する研究の最前線を紹介する「ワサビアカデミー2010」を6日、東京都内で開催した。

お茶の水女子大学の森光康次郎准教授、大阪市立大学医学部大学院の関山敦生准教授らが講演を行ない、食品、健康食品を開発製造する企業や大学などの研究機関などから約120名が参加した。

森光康次郎准教授は「食用植物の香辛成分と機能性 - 今、ワサビが面白い理由」と題し、ワサビの可能性を披露した。セロリ、山椒、近年人気のショウガなど身近な香辛野菜と比較しつつ、ワサビの機能性を解説した。

日本原産の「本ワサビ」が属するアブラナ科の野菜には高い生理機能性が認められ、中でも本ワサビにはデトックスなど生理機能性が多いという。例えば本ワサビの香気成分は花粉症や慢性鼻炎などに抗炎症効果を発揮する。2011年は花粉飛散が多いと予測されており、ワサビの機能性を活用した製品が活躍するかもしれない、と見る。

関山敦生准教授は、ワサビの持つ抗ストレス機能について解説した。関山准教授は、本ワサビ成分である「6-MSITC」(=6-メチルスルフィニルヘキシルイソチオシアネート。金印による商品名は「わさびスルフィニル」)の摂取による、夜勤の疲労やストレスに対する効果を評価した。

実験では、疲労感の抑制、不安や焦燥感などの改善がみられたという。効果は現在の抗不安薬や精神安定剤など医薬品の有効率に匹敵し、いっぽう副作用は見られず、抗ストレスにおける6-MSITCの可能性を関山准教授は強調した。

さらに関山淳教授は6-MSITCの働きとして、疲労による免疫破綻がほとんど認められなかったことも挙げた。まだ推測の域を出ないが、ストレスが関わる悪性腫瘍(がん)、心筋梗塞、喘息、アトピー性皮膚炎をはじめとする免疫系や炎症系が原因となる病気の発症を減らしたり、発症を緩やかにしたりする可能性を示した。

参加者のひとり(健康食品メーカー勤務)は「わさびという身近な食品にこのような機能性があるとは知らず、意外だった。しかし、清流で育つワサビにはポジティブなイメージがあることからも、製品の開発などにも可能性を感じる」と関心を示していた。

《高木啓》

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